東京テラス族 Vol.4

「こんなカンタンに、成り行きでいいの…?」男から誘われた女が取った行動

—“何者かになりたい”。

東京で生きながら、漠然とそう願ったことはないだろうか。

田園調布で生まれ、私立一貫校で育った裕太(34)、同じく目黒出身の修二(34)。そして丸の内OLの優子(30)と、生粋のお嬢様である麗華(31)。

そんな4人がいつも集うのは、とびきりの雰囲気の中でお酒や料理が堪能できる、東京のどこかのテラス席。

複雑に関係が絡み合う、“テラス族”の男女4人。今ここに、熱くて切ないラブストーリーが始まるー。

◆これまでのあらすじ

裕太が思いを寄せる麗華は、年上男性と不倫中だった。そんな中、裕太と優子は二人で葉山へ行くことに…

▶前回:最初は、そんなつもりじゃなかった…。30歳の女が、14歳年上の男にハマった理由


「なんだったんだろうな」

葉山へ向かう道中。天現寺のICをくぐると同時にそう言って以降、裕太はずっと黙ったままだ。

理由は分かっている。偶然、麗華と見知らぬオジさんが歩いているのを見てしまったのだ。その麗華のことをずっと追いかけ続けていた裕太からすると、相当ショックだったに違いない。

私も何と声をかけて良いのか分からず、車内に流れる音楽のボリュームを上げる。

せっかく大好きな裕太と葉山までドライブだというのに、空は生憎の曇天だ。

「ハァ…」

思わずため息が漏れた。どうせ裕太は、私のことなんてただの友達としてしか見ていない。その事実が悲しくて、窓からどんよりとした空を見上げる。

しかしこの時の私は、全く予想していなかった。この葉山がとても長い1日となり、そして私たち二人の関係が一気に進むということをー。

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