社会人デビュー Vol.5

女は、自分より可愛くない子を出会いの場に連れていく!?金曜夜、食事会でのハプニング

およそ1,400万人が暮らす、現代の東京。

そのうちの実に45%が地方出身者で占められているという。

東京にやってくる理由は人それぞれ。だが、そこに漠然とした憧れを抱いて上京する者も少なくないだろう。

これは、就職をきっかけに地方から上京した女が、東京での出会いや困難を経験して成長していく「社会人デビュー」物語。

大都会・東京は、はたして彼女に何を与えてくれるのか…?

◆これまでのあらすじ

2019年4月。北海道から上京した美咲は、同期達の華やかさに圧倒されてしまった。

同期の瑠美から心無い言葉をぶつけられ、玲奈の力を借りて変わり始めるが…。

▶前回:「外コンや商社マンと結婚して、勝ち組の妻になるの♡」と豪語する女に抱いた、大きな違和感


9月初旬、まだまだ東京は蒸し暑く、夏の気配が残っている。街ゆく人々の服装も軽やかだ。

美咲が上京して5か月が過ぎ、仕事や新しい環境にもずいぶん慣れてきた。

そんなある日、美咲は、新規のプロジェクトに担当者の一人として選ばれた。

「入社1年目の佐々木美咲と申します。不慣れで分からないことも多いかと思いますが、頑張りますのでよろしくお願いいたします」

初回ミーティングでの自己紹介。すると皆が拍手する中、1人だけ驚いたような顔で美咲を見つめる者がいた。

美咲にも、その顔には見覚えがある。就活の時、一次面接で面接官をしていた男性だったのだ。

美咲の会社は「顔選考」と噂されていたが、まさにその男性が噂を肯定するかのような印象だったので、記憶に残っていた。

打ち合わせが終わり、会議室を出て廊下を歩いていると、後ろから「佐々木さん!」と呼び止められた。

振り返るとそこには、あの男性社員が立っている。

「採用面接で会ったよね。入社したとは知らなかったよ。これからよろしくね」
「あっ、はい。こちらこそよろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げる美咲に、彼は続けて笑顔でこんなことを言った。

「名前聞くまですぐには分からなかったよ。だいぶ雰囲気変わって、すっかり見違えたね!どう、会社は慣れた?」
「はい、少しずつですが…。仕事は楽しいです」

最近「雰囲気が変わったね」と言われる機会が多い。素直に誉め言葉として受け取ってよいのだとしたら、やはり玲奈が力になってくれたおかげだろうか。

美咲は純粋に嬉しくて、思わず顔がほころんだ。

そしてその週、さらなる出来事が美咲を待ち受けていた。社会人になって初めての“お食事会”に参加することになったのだ。

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