「焼鳥」は旨い。
美味しいではなく“旨い”のだ。
炭で焼き上げたばかりの焼鳥は、湯気が立ちそうなほどに熱々。これに、ふ~、ふ~と息を吹きかけパクっと頂く。
柔らかな肉をひと噛みすると、ジューシーな肉汁がじゅわっと溢れ出す。そして、噛めば噛むほど香ばしい良~い薫りが口内に広がる。
自宅でやろうと思っても、こうは上手くいかない。だからこそ、焼鳥は自宅ではなく店で食べて欲しいのだ。
しかも職人の技が光る、工夫に満ちた料理に出会える名店で・・・。
高級店の味を気軽に!『鳥のかけ橋』は本格派の焼鳥をリーズナブルに楽しめる良店!
今回ご紹介したい『鳥のかけ橋』は、2018年にJR神田駅にオープンした焼鳥店だ。
オフィスからのアクセスが良い街だけに、夕方ともなれば仕事の疲れを晩酌で癒すサラリーマンで店内は賑わう。
「たくさんのお客様に来て頂きたかったので、サラリーマンが来やすい神田に店を開きました」と語るのは店主の高橋将浩氏だ。
店主の高橋氏は、ミシュランの星を獲得した焼鳥の名店で修業をした本格派。
「昔から焼鳥は好きでした。それで、よく食べに行ってたんですが、ある日高級焼鳥店に行く機会があったんです。衝撃でした・・・。なんて美味しいんだ!ってビックリしたんです。それで、この美味しさを伝えたい!そう考えて修行を始めました」(高橋氏)
大衆的なイメージが強かった焼鳥店だが、ここ数年でその印象はガラっと変わった。高橋氏が美味しさにビックリしたというような、高級焼鳥店が注目を集めるようになったからだ。
高級焼鳥店の特徴は厳選素材を使用し、焼鳥にひと工夫をしている点。『鳥のかけ橋』もこの流れを汲んでいる。
「焼鳥はシンプルな食べ物です。だからこそ、素材や調理で大きく味が変化します。当店では、部位に合わせてお肉を厳選しています。主に使用しているのは、プリっとした食感とジューシーさが特徴の水郷赤鶏です。また塩はのと珠洲塩を使用。旨みが強いので、肉の味を際立たせます。また、部位に合わせて焼き方や串の打ち方なども工夫します」(高橋氏)
高橋氏が推してくれた「だきみ」は、正に創意工夫に満ちた1本だった。しっとりと焼き上げた水郷赤鶏の胸肉の上に、ウニソースとキンカンのカラスミをまぶしている。自家製だというカラスミは、程よい塩みが感じられ、しっとりとしたお肉との相性抜群!
「当店での一番人気は『ソリーキ』です。ソリレスという腰の部位のお肉を、リーキネギと京紅地鶏の皮で巻いています」(高橋氏)
ひとことで言えば、ネギ間だ。だが、肉をネギと皮で巻くというひと手間を施したことで肉はプリっと、皮はパリッとした食感が楽しめ、ネギの甘みが倍増され、ネギ間以上の逸品に仕上がっている。
「焼鳥の美味しさを最大限に引き出したいと思って調理しています。他では食べられない部位も多く扱っているので、焼鳥の新たな可能性を感じながら楽しんで頂きたいですね」(高橋氏)
人気メニューだという「ちょうちん」は秘伝のタレで焼き上げる一品。卵巣の中で卵の形になる前の卵黄の部分である”きんかん”の下の部分を、背肝とともに頂く。プチっとした食感がなんとも楽しい!
「初めてのお客様は、おまかせの串7本が含まれている3,800円のコースがおすすめです。当店の良さを体感して頂ける構成になっています」(高橋氏)
メニューは、その日の仕入れによって変化する。そのため、訪れるたびに新たな美味しさに出会うことが出来る。
そして、実はこの店には唯一無二の特徴がある。その特徴とは…?