プラムレザーとフレッシュなアロマティックフラワー
「噛み締めるごとに味の印象が変わる。お花畑のような料理です」
蜜蝋の上にプラムのシートをのせ、季節の花やハーブを置いた一品。バラで香りづけしたオイルや沖縄の島胡椒も効いて、複雑味のある味わいだ。
「噛むごとに散りばめられた味が出てきます。程よい酸味もクセになりますね」と沢村さん。以降、すべて¥19,800~のコースより
麹とキャビア
「噛むごとに生地の甘みが出てきて 美味しくて思わず笑ってしまいます」
茹でたうどん生地に麹菌を用い、2日間発酵させ、キャビアと味噌バターソースをのせた一品。麹は福島県 『仁井田本家』の白糀酒母で仕込んだ酒“かをるやま”と 相性抜群。
「生地を持つとふわっふわの毛布のように柔らかいのに、口に入れるとちゃんと歯ごたえがある。生地の甘さとキャビアの塩気が絶妙に合います」
熟成・燻製させた舞茸 、松のだしと塩漬けしたサクラ
「舞茸って脇役だと思っていたら 主役になれる食材なんですね」
5日間熟成させて水分を抜き、さらに3日かけて炭火で燻した新潟県産の舞茸。松の葉の出汁と味噌で炊き、土鍋で提供。乾燥させた桜の塩漬けを指で崩し、塩代わりにかけていただく。
「最初のひと口の香りがすごい! 桜で塩味を足すと、より奥深い味わいになります。ここまで存在感のある舞茸ははじめてです」
落花生豆腐 、カシスの新芽とコリアンダー
「見た目はシンプルだけれど、ひと言では収まらない味わいのお豆腐」
千葉県産の生落花生を練って葛粉を加え、桜の葉の塩漬けで包んで固めた豆腐。アクセントにコリアンダーの茎を入れ、わさびやスダチ、カシスの新芽をベースにしたペーストも忍ばせている。上にのるのは桜の塩漬けのクリスプ。
「桜の葉の香りが豆腐に移って、サクサク食感のコリアンダーの茎がすごくいい仕事をしています」
ヒロメのミルフィーユ
「まさか海藻がデザートになるとは! 大人好みのほのかな甘さもいいですね」
和歌山県産のヒロメという海藻をハチミツで煮たのちオーブンでパリッと焼き、間に生クリームを挟んでいる。柚子の皮と松で風味付けした塩を効かせることにより、海藻の旨みを引き立てている。
「初めて食べる食感と風味のデザートで、家族のみんなにも食べさせたい。最後まで驚きの連続です!」
余すことなく『INUA』を堪能した沢村さん。「こんな風に非日常を与えてくれるレストランはなかなかない。是非、今度は家族で来てみたいですね」と締めくくってくれた。
最新号では、ドラマ「グランメゾン東京」での共演者とのエピソードやシェフとのエピソードを語っている。
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