憧憬を呼ぶ美食ホテルダイニング Vol.7

ヒスイキュウ

翡翠宮

ハイアット リージェンシー 東京

左.中国の鳥かごや茶壷、急須などが飾られた店内

右.料理長の永沼勝之氏

素直になりたい夜はテーブルの上で旅をする

中国料理は不思議だ。誰もが好物のように語るのに、デートの候補には何故か挙がりにくい。灯台下暗し。好きなら好きと言えばいいのに。誘うのに、誘われるのに、理由が欲しければ、差し上げよう。例えば、小さな旅に出よう、と。

この冬、『ハイアット リージェンシー 東京』『翡翠宮』では、中国各地の食を旅するコース『美食遊覧』が提供される。料理長の永沼勝之氏は、年に4回ほど中国へ渡る。仕事を通じて懇意になった『グランド ハイアット 北京』『made in china』料理長・金强氏、『ハイアット リージェンシー 杭州』元副総料理長・傳月良氏の下などを訪れるためだ。「中国人は、友人になるとすべてを教えてくれる。彼らから学んだ『本物』を伝えたい」

中国料理で最も重要なのはスープ。同店では常時6種を用意するが、それもまた彼らの影響。今回供される「ふかひれの姿煮込み黄金スープ北京風」は、老鶏、鶏ガラ、もみじに、金華ハム、合鴨、豚すね肉を8時間直火で煮込んだ贅沢なひと品。白濁したとろみの強いそれを口にすると、唇が光るほどだ。老酒の酒粕に漬けた鮮魚は杭州風。漬け時間は3時間ほどで、老酒が優しく香る。強と弱の競演だ。優れた中国の調理法と質の高い日本食材とが組み合わされ、皿は我らを誘う。

広東、北京、寧波、澳門、杭州、四川、上海、香港――。味の緩急にこだわる永沼氏の掌に転がされ、気付けば旅は終わる。心が東京に帰ってきた頃には、目の前の誰かが、一層特別に見えるかもしれない。

左.麻婆豆腐 四川風(手前)と青菜入り土鍋御飯

右.濃厚な旨みを秘めた炒めた毛蟹と渡り蟹のビスク

左.ふかひれの姿煮込み 黄金スープ 北京風

右.老酒の酒粕に漬けた鮮魚の蒸し物 杭州風


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