恋愛依存症 Vol.2

男性陣が一斉に狙う、最強の31歳・モテ女。だけど彼女が誰にも言えない、本当の姿とは

どうやら、東北の郷土料理の芋煮を作ってみんなで食べるという会らしい。

これまでは毎年秋に開催していたが、会を仕切っている山形出身の先輩が多忙だったため、この時期までずれ込んでしまったという。

知っている人も数名しかいないので、正直乗り気じゃない。だけど、彼氏のために空けておいた土日に他にやることがある訳でもなかった。

-気分転換になると思えばいいかも?

「三上さん来てくれたらみんな喜ぶんで、ぜひお願いします!」

橋田はキラキラとした笑顔をキープしたまま、ぺこりと頭を下げた。



「三上さん、おはようございます!貴重な休日にすみません」
「橋田くん、おはよう」

二子新地の駅から、芋煮会の行われている河川敷まで歩いて到着すると、会場にはすでに30人ほど集まっており、いくつもの大きい鍋がグツグツと煮えている。

「お!三上さん、来たんだ!こっち座って」

営業部の人に声を掛けられ、男性ばかりのテーブルへと誘導された。クーラーボックスには、冷えた飲み物がどっさり入っている。

「三上さん、何飲む?ビールとか酎ハイとかあるけど…。三上さんはこっちかな」

そう言って、アルコール度数3%の缶酎ハイを手渡される。

「えっと…ビール頂いてもいいですか?私、これだと酔えないので」

笑いながらそう言うと、なぜかそれだけで男性陣が盛り上がった。

チヤホヤされるのはもちろん悪い気はしない。

けれど、これは経営者との食事会でもなければ芸能人が参加するようなパーティーでもないのだ。

ここはあくまで会社の集まりだ。後々面倒なことになるのは避けなければいけない。

ふと、視線を川の方へ向けると女性だけのグループが出来上がっており、案の定チラチラとこちらを見ている。そのうちの一人と目が合うが、あからさまにぷいと顔を背けられてしまった。


その時、どこから戻ってきたのか、橋田がチーズとピスタチオを手渡してきた。

「つまみにどうぞ。…で、お願いなんですが...今度、僕の大学の時の友達と飲んでくれないですかね?三上さんのインスタ見せたら、しつこくお願いされちゃって。昔女の子紹介してもらったことがあるから、無下にできないんですよ」

一瞬、倫也のことが頭をチラついた。だが、あれからも彼とは相変わらず連絡がついておらず、さすがの私も、この恋が終わったことくらいは理解している。

「うん。いいよ」

手を合わせる橋田にそう答えると、派手に喜んている。

「それにしても三上さんって、本当にモテますよね。今日も男性陣、みんな三上さん狙いなんじゃないですか〜?」

苦笑いして彼の言葉を聞き流す。確かに私は、こうした場では、我ながら本当にモテると思う。

—なのに実際付き合うと…誰ともうまくいかないんだよね。

橋田に気づかれないよう、私はそっとため息をつくのだった。

この記事へのコメント

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No Name
ほどほどはね、いいんだよ

エマのはやり過ぎ
2020/03/07 05:1799+返信10件
No Name
人によるよね。うちの夫は付き合ってる時、家で料理作って待ってたりマメに連絡してあげたりするとしっぽふって喜んでたよ。ただ私も忙しくて仕事優先だし暇な時だけだったけど。
エマももっと多忙な仕事に転職したらいいんじゃない?
2020/03/07 05:1182返信5件
No Name
話の主軸にはそんなに惹かれないけど細かい描写はわりと好き、chrome閉じたとか。笑
2020/03/07 05:1966返信11件
No Name
知らない男2人と自分1人って、絶対行かないなぁ
2020/03/07 06:4344返信5件
No Name
彼女は、恋人が好きじゃなくて自分に自信がなくて依存してるだけに見えた。
2020/03/07 06:0230
もっと見る ( 79 件 )

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