2019.11.21
SPECIAL TALK Vol.622020年のニューリーダーたちに告ぐ
学校ではあまり目立たない生徒だったという吉田恵美氏。そんな吉田氏が突然海外留学を決意したのは、予備校で出会った講師のグローバルな視点に触れ、“もっと広い世界を見たい”と思ったから。
英語が通じないことを恐れずアメリカに飛び込み、留学で訪れたチェコで東欧建築に衝撃を受け、インテリアデザイナーの道へ。
多種多様な文化を取り入れながらも「和」を生かした作品を次々に手掛け、洗練されたスタイルと時代を超越した美しいデザインで世界を舞台に活躍する。
福岡県の地方都市で、ごく一般的な家庭に生まれた吉田氏が、なぜ世界的なデザイナーに上り詰めることができたのか。その歩みを振り返りながら、次世代のリーダーたちが成長するために何が必要かを探る。
吉田恵美氏 米国アイオワ州立大学芸術学部、インテリアデザイン科の学士課程を首席で1994年に卒業後、米国の大手建築会社、NBBJ Architects、GGLO Architecture + Design、IDI and Anshen + Allenに勤務。2005年に独立し、デザインスタジオ YZDA(Yoshida + Zanon Design Atrium)を創業。米国ニュージャージー州とニューヨーク州に拠点をおき活躍中。好奇心と多様なデザイン経験を元に、ホテル、レストラン、オフィス、個人邸宅やマンションなどを、トレンドに左右されすぎることなく、スタイリッシュなデザインに創りあげる。2018年に東京オフィスを設立。
金丸:今日はデザインスタジオYZDAを主宰するインテリアデザイナー、吉田恵美さんをお呼びしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
吉田:こちらこそお呼びいただき光栄です。
金丸:本日は広尾の『鮨 在(ざい)』でお話を伺います。伝統を重んじながらも挑戦を忘れず、鮨を引き立てるペアリングを提案してくれるのも魅力とのこと。オープンは今年5月ですが、すでにかなりの人気店だと聞いています。
吉田:楽しみです。私はよく食べるので驚かれるかもしれません(笑)。
金丸:早速ですが、吉田さんは基本的にはアメリカで活動されているんですよね。
吉田:ニュージャージー州とマンハッタンを拠点に活動していますが、イタリアやオーストラリアでもプロジェクトを手掛けています。昨年は東京にもオフィスを構えました。お声がかかれば世界中どこにでも行きますよ。
金丸:アメリカでの生活は長いのですか?
吉田:大学からなので、もう30年以上になります。
金丸:そんなに!
吉田:日本に来ることは、年に数回ぐらいで。最近になってようやく日本でも知られるようになったので、完全に逆輸入ですね(笑)。
金丸:ここ数年、Houzz(住宅デザインやインテリアなどの世界最大の情報サイト)の賞を連続で受賞されているとか。
吉田:お陰様で2014年から受賞しています。17年まではベストオブデザインサービス賞を、去年と今年はベストオブデザイン賞をいただきました。
金丸:素晴らしいですね。インテリアデザイナーといっても、馴染みのない読者も多いと思います。具体的にどのようなお仕事をされているのか教えていただけますか?
吉田:日本だとホテルやレストランといった商業デザインはよく知られていますが、私が手掛けているのは、高級な戸建て住宅やコンドミニアム、ペントハウスが中心です。短くて9ヶ月、長くて2年半、クライアントの話を聞きながら、その人に合ったデザインを考え抜き、ただインテリアを選ぶだけでなく、心に響く空間を作るためにトータルでサポートしています。
金丸:施主が個人だと、商業デザインとは違った難しさがありそうですね。
吉田:そうですね。アメリカは日本よりもデザインやリノベーションについて意識が高く、とことんこだわりたい人が多いです。
金丸:相手は富裕層で、しかも吉田さんの仕事を知って、「この人に頼みたい」と依頼してくる。自然と要求される仕事のレベルも高くなりそうですが。
吉田:細やかな仕事ですし、いつも締め切りを抱えていて、なかなか大変ですよ(笑)。クライアントは妥協してくれませんので、何がきっかけで「もう結構」と言われるかもしれません。お陰様で今のところ、たくさんお声がけいただいていますが、いつ“旬”が終わるかもわからない。いつも崖っぷちに立っている心境です。
金丸:実力社会のアメリカでフリーで活躍できるのは、本当のプロフェッショナルだと思います。今日は吉田さんの生い立ちから、どのように今の地位を築かれたのか、じっくり伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
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