大好きな彼が、妹と恋に落ちて結婚…!人生ドン底に落ちた30歳女がとった行動とは

「そして後日、梨花に言われました。『隼人さんから付き合って欲しい、と言われてるけど付き合っていいかな』って。やっぱり、そう来たか…。という感じでした」

双子同士お互いの考えていることは、だいたいわかる。梨花さんも隼人に惹かれていたのだ。これが他人だったらまだ「しょうがない」と割り切れたところが、双子の妹だったからこそ傷ついた。

「きっと、梨花も私が隼人に惹かれていたことは気付いていたと思います...」

だからこそ、梨花さんが隼人とのことを相談してきたときは、中途半端な気持ちじゃないことが伝わってきたという。結局、果歩さんは、自分の思いは封印して2人の付き合いを祝福した。

「私と妹は顔がそっくりだっただけに、私の性格にダメ出しをされたような気持ちになりました。私のどこがいけないんだろう…?当時は、そんなことばかり考えていましたね」

そのうち隼人のロンドン駐在が決まり、それをきっかけに二人は結婚し、梨花さんは休職してついて行くことになった。

結婚式は身内だけの小さいものだったが、隼人と妹両方をともに失ったような気持ちで、祝福したい気持ちとは裏腹に胸がチクリと痛んだという。

そして、果歩さんにとって、人生初めての一人暮らしが始まる。

「馴染みがあった東横線沿いでと思い、中目黒で一人暮らしを始めました」

その頃ちょうど、30歳を迎えた時期だった。生まれた時からずっと一緒だった片割れがいなくなった寂しさと、結婚していない自分に対するコンプレックスを感じるようになる。

「30代前半は、暗黒時代でした。そんな自分を変えたいと思い始めたのは、一人暮らし3年目。思い出いっぱいの東横線沿いから、引っ越してみようって思い立ちました。それでいろいろ物件をみていたら、いっそのこと会社に近い東側に住んでみようかなって。しかも、家賃払い続けるんだったら、マンション買おうかなって…」

その時は、一生独身も覚悟していたという。

「老後、家もなくて、一人ぼっちだったらって心配になりませんか?だったら、今のうちに家を買っておこうかなって」

そこからネットで探したり、不動産業界にいる友人に頼んで物件を探してもらったりした。

「タイミングよく知り合いの不動産会社の人から、連絡があって。水天宮の4,000万円台1LDKの部屋を購入しました。住宅ローンを組んだときは、私も大人になったなあ、なんて思いましたけど…」

そして引っ越し直後から、憑き物がとれたようにすっきりして急に運勢が好転したという。

「家が快適っていいですよね。自分の部屋に帰るのが楽しみになって。家具も好きなものを選んで、好きなものに囲まれて。会社からも徒歩で通える距離になったので。生活の質がすごく上がりましたよ」

ワンランク上の家を手に入れることにより、自然と自分が憧れていた女性に近づくことができたように感じた。

「なんだかんだ、私も妹に頼りきっていたので…。新しいマンションを購入したことで、ようやく妹から自立できたのかもしれませんね」

そんな果歩さんは、引越しをして2年後に妹が紹介してくれた男性と結婚することになった。

「不思議ですね。妹の夫を私がみつけてきて、私の夫を妹がみつけてくるなんて。双子ってそんなものなのかもしれません」

そう話す果歩さんは、幸せそうに見えた。

家を買うという行為は、独身女性にとって勇気がいることだと思うが、購入したことにより、ようやく「自分の人生」を歩むことができたのであろう。

独身女性が買ってはいけないもの、というのはただのジンクス、全ての人に当てはまるとは限らない。


▶Next:9月26日 木曜更新予定
最終回:結婚式にお金をかけた、バツイチ女性が登場

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