アプリで加工した姿と、リアルな自分への違和感。年間240万を美容代に費やした女の悲劇


「弁護士をしている夫と結婚したのは、私の人生計画通りでした」

夏美さんは、小学校から大学まで、お嬢様学校として名高い女子校に通っていた。

彼女の父親も弁護士で自身も何の苦労もなく育ち、母親も常々「女の人生は、結婚相手で決まる」と言っていた。

そういう環境で育ったため、いつの間にか、夏美さんは”ハイスペ男を捕まえ結婚する”ことが人生の目標となり、それが女の幸せだと信じて疑わなかった。

そして、大学卒業後は、法律事務所に秘書として就職。

「もちろん法律事務所に就職したのは、はじめから弁護士との結婚を狙っていたところもありました」

夏美さんは、絶世の美女とまではいかないが、自分がまあまあ美人の部類に入ることはわかっていた。

それに加えて、どうやったら周りに気に入られるかもわかっていたという。

得意の気配りで担当弁護士が何を望んでいるかを把握し先回りして仕事をしていたら、「美人で気が利くね」と職場での評価は上々だった。

「私そういうところはちゃっかりしてるんです。自分の売りを分かっているので自分を最大限に売り込みました」

その結果、事務所のホープと言われていた今の夫と付き合うようになると、父親が弁護士だったこともあり、とんとん拍子に話が進み結婚に至った。

当時夏美さんは26歳、彼は28歳だったという。

ここまでは、夏美さんの人生はパーフェクトだった。

しかし、結婚して仕事を辞め念願の専業主婦になったあと、急に自分の居場所がなくなったような気がした。

それまでは結婚がゴールだったため、目標を達成してしまい、急に目標を失い無気力になったという。

「当時は弁護士の夫がいること以外に、自分に誇れるものが何もなかったんです」

結婚後、娘が生まれたにも関わらず満たされぬ思いをずっと抱えていたと語る。

そんなとき、なんとなく夏休みに親子でハワイ留学をし、子供がサマースクールに行っている間に、夏美さんはハワイアンマッサージ・ロミロミのコースを受講した。

3週間程度のものだったが、これが人生を変えるきっかけとなった。

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