港区モード Vol.8

One day:年上女を満足させる自信を失った、29歳の男。彼が再び歩き出せた理由


大音量のクラブミュージックに、まばゆいLEDの照明
酔いに身をまかせた男と女たちが溢れ返るその空間で
彼はひとりで酒を飲んでいた

僕よりもずっと年上の、大人の男だ
きっと君も本当は、ああいう男と幸せになるべきだったんだろう

思わず目を背けたけれど
なぜか彼のことが気になって仕方ない


クラブの喧騒の中、一人きりでシャンパンを飲む姿は
どこからどう見ても浮いているけれど
堂々としたオーラがカッコよくて

ふと足元を見ると、レザーの上品なスニーカーを履いている

彼は思い立ったようにソファから立ち上がり、ゆったりとフロアを歩きはじめる
踊るわけでもなく音楽に酔いしれるわけでもなく、ただ楽しそうに歩いている

きっと彼は、なににも縛られず、誰とも自分を比べず
自分の人生を生きているんだろう


あのスニーカーは彼にピッタリだ
自由で媚びないけれど、品があって美しい
まるで僕がかつて、なりたかった男みたいだ

昔の僕は誰にも媚びず、自信に溢れていた
人生なんてチョロいチョロい
だって自分はどこか特別だから
そんな間抜けなことを本気で考えていたんだ

だけどそれは若すぎて怖いもの知らずなだけだった
世界を知らないだけだった

そのときふと気がついた
6年間で変わってしまったのは、他の誰でもない僕だってことに

勝手に壁にぶち当たって
限界を感じて
自信をなくして
君の隣にいるのが恥ずかしくなってしまった

君はあの頃から少しも変わっていない
いつだって美しくて優しい君のままだ
唯一変わってしまったのは
いつも笑顔だった君が最近泣いてばかりだということ

ずっと君は言い続けていた
今のままのあなたでいいからって

だけどこのままじゃ嫌なんだ
もっと君を幸せにしたいんだ

あのスニーカーの男みたいに
この東京のど真ん中で誰にも媚びず、なにも恐れず、堂々と歩けるようになりたいんだ


少し背伸びをして
僕もあんなスニーカーを履いてみようか

そして地面を踏みしめて、しっかりと前に進もう
もしもまた壁にぶつかったら、よじ登って這い上がろう

君の泣き顔を、出会った頃と同じようにまた笑顔にするために

僕はもう一度歩き出すよ


それを纏えば、ドラマが生まれる

港区モード。


▶Next:7月23日 火曜更新予定


今週の港区モード:「ジョンロブのスニーカー」


紳士靴の最高峰であるジョンロブに新しい風が吹いたのは、2015年のこと。

アーティスティック・ディレクターに女性のパウラ・ジェルバーゼを招聘し、伝統の技術と新しい感性との融合を模索し始めたのだ。

シューズ¥130,000〈ジョンロブ/ジョン ロブ ジャパン 03-6267-6010〉、その他/スタイリスト私物


この「PORTH」も彼女が手がけたモデルのひとつ。ジョンロブらしい卓越したクラフトマンシップを感じさせる最高級の一枚革のアッパーや美麗なエプロンのステッチングは依然健在ながら、一方でフォルムはモダンかつリュクスという、まさに伝統と革新の邂逅によって生み出された意欲作だ。

スポーティでありながらエレガント。そんな塩梅絶妙なスニーカーであれば、港区おじさんの嗜みとして最新のクラブに足を運んだ際にも気後れすることなく大人の余裕を醸し出せるはず。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。



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