友人は皆セレブ婚なのに彼氏は低収入。生活レベルを下げられぬ女が出した結論とは

人としては好きでも、結婚はできない


「私にはもうずっと仲良しの友人が二人いるんですけど、二人ともすごくいい暮らしをしているんです。ひとりは旦那さんが不動産会社の代表をしていて、麻布の高級マンションに住んでる。もう一人の旦那さんは代々続く開業医で、白金に豪邸が建っています」

カトリック系のお嬢様学校として有名な、都内のエスカレーター式女子校出身の恵里奈。今彼女が話している友人というのも、同じ学校で育った仲間なのだろう。

「二人とも20代半ばで結婚し、子どももいます。私だけ独身なんですが気を使うことも使われることもなく…というのも、二人ともフルタイムのシッターがいるので割と自由に外出できるんです。ホームパーティにシェフを呼んで楽しむこともあり、そんな時はそれぞれの旦那様とも仲良くさせてもらっています。

20代半ばで結婚した女と独身のまま30代を迎える私のような女は、ライフステージの違いがそのまま価値観の違いになって疎遠になるケースが多いと聞きますが、私たちはそんなことありません」

堂々と言い切る恵里奈の表情から、それが本当であることが伝わってくる。そのように良い関係を保つことができたのは、彼女たちの育ちの良さに起因するのかもしれない。

「ただ…、そんな場所に、聡を連れていくのは無理なんです」

諦めたように首を振りながら、恵里奈は小さく笑った。

「聡とは大学時代、運命的なきっかけで出会ったと思ってます。当時よく皆で訪れていた代官山のカフェで聡がアルバイトをしていたんです。最初は常連客と店員さんの関係でしたが、何度も顔を合わせるうちにお互い惹かれあっていました。

ある時、たまたま他の二人が別の用事で遅くなって、私がひとりカフェで待ちぼうけしていた時に聡がずっと話し相手になってくれたことがあって。その時に、さりげなくデートに誘われたんです。公開間近の映画の話で盛り上がって、一緒に観に行こうって」

恵里奈は楽しそうに、出会いのエピソードを語ってくれた。

「聡は背が高くて見た目も爽やか。客観的に判断してもイケメンだと思います。後日デートすることになったと彼女たちに報告したら、二人ともすごい盛り上がっていましたね(笑)。

他の子たちは違うのかもしれないけれど…私たちは若い頃、さほど男性の肩書きや経済力を気にしていませんでした。お金に困った経験などないし、欲しいものは両親が買ってくれる。そんなものに執着する必要がなかったんです」

恵里奈と聡は20代の若者らしく、情熱的で密な交際を重ねていった。

ところがお互いの大学卒業後、少しずつ関係に変化が生じてしまう。恵里奈は特許事務所、聡は飲食チェーンで働き始めたのだが、休みがまったく合わないことが原因ですれ違いが続き、20代半ばで一度破局した。

「ちょうど友人たちが結婚を決めたタイミングでもありましたし、両親からの強い勧めもあっていくつかお見合いも経験しました。でも結局、お見合い相手と結婚に至ることはありませんでした」

若い時代を共に過ごした聡に感じる圧倒的な安心感。自分のすべてをさらけ出すことができる、信頼感。そういうものを、別の人にはどうしても感じられなかったのだと言う。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo