夫の異変は突然に Vol.16

夫の様子が急変した日から、3ヶ月。男を当てにしてきた妻が、ようやく目を覚ましたワケ

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?

夫・雄太の復職も無事に決まり、ようやく順調に動き出したように見える夫婦。果たしてあずさの胸の内とは…?


“復帰後、プロジェクトにアサインされることになったよ!”

雄太からのLINEに、あずさはすぐに返信することが出来なかった。

−ゆうちゃん、本当に大丈夫なのかな…。

復職後すぐだから、セーブしながら働くことにはなると思う。とはいえ、プロジェクトにアサインされるということは、それなりに忙しくなるはずだ。

病気も落ち着き、復職が決まったのはもちろん嬉しい。だけど…。

−頑張りすぎて病気が再発したらどうしよう。

そんな不安があずさを襲う。

復職しても、うつ病の治療が終わったわけではない。定期的なカウンセリング、薬の服用をしながら気持ちを安定させていく、長い付き合いが必要なのだ。

それに、環境の変化もストレスがかかり、病気を悪化させやすいと聞く。3ヶ月弱仕事から離れていた雄太が、急にプロジェクトに復帰して大丈夫なのか、心配なことが多くてあれこれ考えてしまったのだ。

なんと返信したら良いのだろう。「良かったね」とも「安心したよ!」とも違う。かといって、正直な気持ち、つまり不安を返すのは、雄太の前向きな姿勢に水を差すだろう。

−どうしようかな…。

あずさが考えあぐねていると、スマホの画面にメッセージが表示された。

“中野、この前は本当に悪かった”

送信主は、河村だ。先日の謝罪だろうが、これ以上あずさに出来ることはなかったし、もう関わらない方が良いと思った。

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