東京とNYで、欲しいものは何でも手に入れてきた。戦略的に結婚した女の光と影


百合は、大学卒業後に留学経験を活かし外資系企業に勤務していた。

当時米国から日本に赴任してきていた今のご主人と、友人の紹介で出会い結婚。彼の任期満了を機に、仕事を辞めてニューヨークに移住することになったそう。

「昔から海外志向が強かったので、外国人の夫とニューヨークに住むことができてラッキー!なんて思っていました。でも実際住み始めると、仕事無し、友人無しで、何をしたら良いのかわからず自分探しをしていた時期がありましたね」

そして自分探しの結果、「好き」を追求してみることにしたのだ。

世界的に名高いファッションの学校で一から勉強し、卒業後はエグゼクティブを多く担当する先生のアシスタントなどを経験し、独立したとのこと。

「初めは、駐妻コミュニティーで、カラー診断やお買い物同行などを行うことからスタートしました。そのうち、駐妻のご主人から現地の日本人エグゼクティブまでがクライアントになっていきましたね。

ニューヨークでは、流行に敏感な駐妻が重要なインフルエンサーです。まずは、そこで知名度を高めたことが次に繋がりました」

ただのスタイリストで終わるのではなく、内面の魅力を引き出し、その人をブランディングする彼女の講座は「百合がコーディネートした服を着ると商談が成功する」と口コミで広がり、瞬く間にブームになった。

そして、そのブームは日本にまで広がっていった。

駐妻たちからの、日本に本帰国しても彼女の講座を受けたいというオファーに応え“ニューヨーク発”と銘打ってオンライン講座なども開催するようになった。

「そうこうしているうちに、出版関係の友人から声をかけられて本を出すことになったんです。それを期に日本とニューヨークとのデュアルライフが始まりました。日本でのイベントや講座のために年に5〜6回帰国して、長い時には娘たちも連れて1ヶ月以上滞在することもありますよ。帰国した際は、白金台の実家を拠点にしてます」

まさに、絵に描いたような順風満帆な人生。そんな彼女に成功の理由を聞いてみた。

「自分に自信を持つことですかね。失敗もたくさんありますが、そんな失敗した自分も好きになる。そのための努力はもちろん、チャンスを自分で貪欲に掴みに行った結果こうなりましたね。

あの手この手を使って戦略的に手にしているものも多いですよ。今思えば、結婚も戦略的だったかもしれません(笑)」

あの手この手を使って戦略的に、とは…?

気になって聞いてみると、彼女は「そこ、聞きますか?」と笑いながら答えてくれた。

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