略奪愛 Vol.12

略奪女を撃退した妻の、大きな誤算。慌てる夫が謝罪の代わりに口にした、予想外の言葉

その夜、バスルームで寛いでいた私の耳に、ドアの開閉音、そして男の足音が微かに届いた。

忘年会で遅くなるはずの亮が、どういうわけか早めに帰宅したようである。

直接見てはいないから、戻ってきた彼の表情がどんなものであったか知らない。しかし急遽予定を変更し帰宅した彼の慌てようは、足音や気配だけで伝わってきた。

あの女…三好明日香が亮に告げ口をしたに違いない。

心の中で舌打ちをしたが、まあそこまでは想定していた展開だった。だが、夫がその後にとった行動は、私の想像していたものとまるで違っていた。


「舞、大事な話がある」

バスローブを着てリビングルームに戻った私に、亮は未だスーツ姿のまま神妙な面持ちで声をかけてきた。

大事な話…そんなもの、聞かなくたってもうわかっている。

私は「何?」とわざと冷たい声を出し、キッチンでミネラルウォーターをごくごくと飲んだ。妙に......


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