「媚びない、錆びない。」女優・真木よう子が大人論を語ったら、その奥深さにぐっときた!


「まだ分からない未来を考える時間なんて、もったいない」

結婚、出産、離婚を経験し、妻、母、女の三役も担った。人生の酸いも甘いも知る真木よう子だが、今は「娘が笑って幸せでいることが一番の幸せ」と柔和な表情で話す。

「子どもは本当に宝物。娘を産んだとき、このために私、頑張って生きてきたんだなって思いました。自分の命より大事な命がそばにあるって、ものすごく大きいこと」

その存在は、母としてはもちろん、ひとりの人間として、そして女としての生き方にも大きな影響を与えた。

「自分のことばっかり考えていられませんから。未来や過去のことについて悩まなくなりました。マイナスなことを考えること自体が時間の無駄、と思えるようになったんです」

結婚と離婚を経験したことで、恋愛観も変わってきたという。

「結婚っていう契約はもうしなくていいかな。するなら事実婚でいい。契約の意味がないと思うんです」

と、バッサリ。そんな真木さんが、ママ友との間で話題なのが〝卒婚〞。

「要は離婚のことなんですけど結婚を卒業するから〝卒婚〞。卒婚する人、籍を入れずにパートナーといる人、シングルママだって多いし、ライフスタイルが多様化していますよね」


とはいえ、「好きな人と結婚するっていうことは素敵なこと」とも話す。

「継続は力なりって言葉があるように、それをクリアできる人間はほんとひと握り。でもダメならダメで、少し柔軟に考えてみてもいいと思うんです。自分の選んだ道こそ正解って」

固定観念に捉われず、周りに媚びず、自分を強く持っている真木さんは恰好いい。その自信は、周りよりもスピーディに経験値を延ばし、36歳にして、女としての三役すべてを担ったからなのだろうか。

「いや、自信を持てるようにと、心がけて生きるんです。自ら意識していないと自信はつかない。自分を信じられなければ他人も信じてあげられないし、何を言っても薄っぺらくなっちゃいますから。

私の尊敬する大人の女性は、みんな強い自尊心を持っていて、でも肩の力は抜けている。大人としてやるべきことをやったうえで、『まぁどうにかなるか』と思えるようになるんです。

それって、もちろん、これまでの経験があったから。なんとかなってきたんだから、なんとかなるでしょうって。過去の積み重ね、こそがそうさせる」

そういうことか、と腑に落ちる。〝経験〞こそ、大人の魅力を形成するのだ。彼女の言葉は、大人にならなくてはと足掻きながら32歳を迎える者たちの肩の荷を、きっと軽くしてくれるに違いない。


■プロフィール
真木よう子 千葉県出身。1982年10月15日生まれ。2001年に映画出演を果たしデビュー。2006年の映画『ベロニカは死ぬことにした』で初めて主演を務める。2013年映画『さよなら渓谷』で日本アカデミー主演女優賞、『そして父になる』で助演女優賞のダブル受賞を果たす。主演を務めるドラマ『よつば銀行原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』が1/21(月)スタート。

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