2019.01.26
2017年、話題作となった『君の膵臓をたべたい』で主演に抜擢され、一躍注目を集めた北村匠海。
この1月には、「十二人の死にたい子どもたち」にも出演し、高校生役を好演している。
そんな、今年22歳を迎える彼に、10年後、32歳の自分を想像してもらった。
一体どんな仕事観や人生観があるのか。そして、その目にはどんな未来が見えているのだろうか。
22歳ながら、実年齢より若い高校生役を演じることも多く、まだ幼さ残る“キラキラ系イケメン俳優”という認識が強かった。
しかし、ジャケット姿でカメラの前に立つと、そんな先入観が一変。ふと見せる憂いある表情には色気が漂い、淡々とポーズを決める姿にはセクシーさすら漂う。
そんなギャップに、彼が目指す、32歳とはどんな男なのか、もう一歩深く踏み込んでみたくなった。
「今までたくさんの人に肉付けをしてもらった。10年でそこから自分の核を見つけたい」
黒いジャケットとパンツを着こなし、ときに向ける目には強い意志を感じる。
「シックな雰囲気がいいですね。着るだけで大人な気分になれました」と、控えめに今日のスタイリングの感想を述べてくれた。
「お芝居しているときも、衣装を着ると、自分なりにその役のスイッチが入るんです。ヤンキー役のときはボンタン履けばそういう歩き方になるし。今日もそんな感じで〝大人な自分〟の感覚で撮影に臨めました」
落ち着いた口調で、あまり表情を変えずマイペースに語る姿は、20代前半とは思えないほど地に足がついた感がある。
北村さんは9歳で芸能界デビューし、若い頃からたくさんの大人に揉まれ、役者としての経験を積んできた。その環境は、彼の〝大人観〟に大きな影響を与えている。
「早く30代になりたい。それは、周りにいる30代の先輩方がカッコいいから。僕から見る共通点として、みなさん取捨選択ができていること。
たとえば、映画でもドラマでも、自分がやりたい役、作品、ビジョンまで見えている。そういう人って、話に芯があります。僕が見据える30代の方たちはさらにもう10年先を見ていて、いつまでも追いつかない自分もいる」
とはいえ、まだ21歳。若手という気持ちも強い。「僕は年齢的にもいろんな役にトライする時期だと思っています」と謙虚さも覗かせる。
そんな大人たちとの出会いの中で、大きな影響を受けたのが、〝尊敬する先輩〟である小栗 旬との出会いだ。
「ちょうど、『君の膵臓をたべたい』が公開中だったときですね。小栗さんと松本 潤さんと新田真剣佑で食事に行ったんです。
そこで小栗さんに、『お前らの世代はまだ全然脅威じゃないよ』って言われて。主演作が話題になって、少し自信もついてきたなと思っていたので、僕なりに積み上げてきたものが、その一言で打ち砕かれた。
でもそれは、こんなもんで満足するなっていう小栗さんなりの僕らへの配慮だったんだろうと後で思いました。小栗さんも役者としていろんな道を歩んで、ハリウッドにも進出している。結果、やりたいことを選択してきたからいまがあるんですよね。
僕も小栗さんくらいの年齢(36歳)になるまでに、自分の核を見つけたいと強く思いますね」
用意された常套句ではなく、丁寧に冷静に自分の言葉を紡ぐ。すでに人生を達観しているようで、その〝核〟を見つけている気もするが、「いやいや、まだ全然」と謙遜する。
「これまではいろんな人に北村匠海を肉付けしてもらってきました。ここからの10年で自分自身を作り上げていって、自分の中でひとつ信じる道を見つけていきたいです。役者としてはもっと幅を持って、感情の浮き沈みを表現できるようになりたいなと思っています」
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