東京23区ー。
東京都の中心となる23の「特別地方公共団体」の「特別区」のことを、私たちは東京23区と呼ぶ。
23ある中の、どの区に住んでいるかによって、その人の傾向や特徴は如実に表れるもの。
料理研究家として活動する青柳里香(28歳)が、各区の男たちとデートを重ねることで感じた、それぞれの特徴と生態とは・・・?
—軽く飲んでからご飯に行こうよ!
本日のデート相手・航平からそんな連絡が来たのは、当日の昼のことだった。
航平に指定された『TRUNK(BAR)』は、夕方にも関わらずステッカーを貼ったMac Bookをカチャカチャと動かすオシャレ系の人で溢れ返っている。
航平と出会ったのは、先々週末のこと。知人に誘われて顔を出した、スタートアップ系の人が集うパーティーで知り合った。
“誰かいい人いるかな〜♡”という、完全に私欲丸出しで参加した私だが、扉を開けた途端に、自分がとてつもなく場違いであることに気づかされた。
皆Tシャツの上にオシャレ系パーカー、そしてデニムといったカジュアルな装いで、土曜日だったこともあるがスーツ姿の人なんて一人もいない。無駄に気合を入れてタイトスカートで来た自分が恥ずかしくなるほど、私には不似合いな世界が広がっていた。
名刺交換も盛んに行われており、参加している女性達もビジネスの話ばかり。
“何のお仕事しているんですか?”の問いに対し、ここでは会社員では通用しない。“自分でやっています”と言わない限り、この輪の中には入れないような、熱気と仲間意識強めの空気が漂っていたのだ。
—な、何よこの意識高い系の集まりは・・・
そうして呆気にとられる私に、気さくに話しかけてきてくれたのが航平だった。
この記事へのコメント
本当に世の中を変えるサービスをリリースできる人って、意識高い系おしゃれ界隈にはいない気がしてます。