〆にしか食べられないトドメの麺 Vol.3

ミヤノ

みや野

〆の十割せいろ蕎麦

〆の十割せいろ蕎麦

その時季のいい蕎麦を自家製粉し、天然水で打つ。せいろが多いが、ときにはかわり蕎麦も登場するという。細めだがしっかりこしがあり、キリリとしている。〆の蕎麦は予約時にオーダーする必要がある(¥7,350のコースより)

旬のおまかせコースの〆は天然水で打つ十割蕎麦

「ありきたりではつまらないから、ちょっとひねった会食を」というときに、一期一会の店はいかがだろうか。南阿佐ヶ谷からほど近い木造家屋の2階にひっそりとある「みや野」は、予約のみで営業する和食店だ。

基本は7350円というリーズナブルな和食コース。旬の味覚をたっぷりと取り入れ、内容は客のリクエストによってがらりと変わる。いわばその会食だけの一期一会。できるだけ食べ手に寄り添って、本当にいいものを出したいという想いは、営業時間も定休日もなく、すべて客主体で決定するというスタイルにも表れている。

使う食材は、天然の魚介類や山菜、低・無農薬の野菜など。調味料も伝統的な製法のものを使い、すべてが繊細な味わいに仕立てられる。〆には、自家製粉の蕎麦を天然水で打つ細打ちの十割蕎麦を。みや野は以前、蕎麦が主体の店として評判を呼んでいた。和食コースに変わった今でも、ご主人の宮野さんが打つ蕎麦はぜひ味わいたい料理のひとつ。予約時に忘れずにリクエストしたい。

また、江戸期の古伊万里などを主体としたその設えも目を見張る。趣ある隠れ家で、旬を感じる和食と絶品蕎麦という組み合わせは、他にない趣を添えてくれるだろう。

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