青山通りから徒歩30秒の一軒家レストランは、足を踏み入れるだけで驚きの連続だった

※『ristorante misola』は、リニューアルのため現在休業中です。

人通りの多い大通りから、路地裏に数歩入ると現れる、一軒家。表通りの喧騒とは裏腹に、落ち着いた風情を醸し出している。

ここにあるのは、未体験の、既視感のない空間。

知る人ぞ知る、青山の隠れ家は、外観からは想像できない驚きで溢れていた。


青山では貴重な開放感。吹き抜けにアートが主張する一軒家
『ristorante misola』


温かみある灯りが漏れている1階には、イタリアワインと食材のショップがあるが、ディナーを味わうべく目指すは、2階の『ristorante misola』だ。

ここは、食とアートという、一見全く異なるように思える2つの要素が、自然に調和する、実に美的なリストランテなのである。

2階の雰囲気は、まさに上質。店名になっている「み空」色を基調にした空間は、主張しすぎず、ハイセンス


階段をのぼると、2階にはレザーとテキスタイルの異素材使いが印象的なチェアの並ぶテーブル席が。

壁を彩る淡い青色は、まさに「み空」色だ。

しかも、見上げれば3階まで続く吹き抜けになっており、開放感が味わえる。

3階は個室のように使えるプライベート感満載の空間。テラスもあり、2階と同じくこちらもまた人気。

3階の半個室は、ロフトのような構造で、2階からの吹き抜けに面している

更に、その半個室に付随しているテラスも雰囲気抜群

店内でひときわ目を引くのは、吹き抜け部分や壁に飾られている、大空を羽ばたく鳥をかたどったアートピース。

聞けばこれは、彫刻家・大森暁生氏が手がけた、「カササギ」をはじめとする鳥類をモチーフにした作品群だという。

アートピースと巧みな色使いを印象づけるべく、そのほかのインテリアは極めてミニマル。大森氏による作品が、各所にちりばめられている

今の季節のスペシャルな一皿より「夏鹿の赤ワインリゾット フォンデュータソースと山ぶどうのソースで」¥3,280(前日までに要予約)


美しいアートと拮抗する、美味なるピエモンテ料理を供するのは弱冠28歳のシェフ・葉山暢人氏。

現地イタリアと都内の人気店での修業経験を活かした確かな料理を、アラカルトでもコースでも、というフレキシビリティがうれしい。

写真の料理は、北海道産の鹿肉に、2種類のソースでまろやかさと風味深さをプラスしている。

アンティパストミスト(¥2,880)は季節の素材を使った冷前菜と温前菜の盛り合わせ


こちらの写真のアンティパストミストは、きゅうりのソースを添えた高知産稚鮎のベニエや、レイヤーになった盛り付けも美しい、チェリートマト、ストラッチャテッラのガスパチョが盛り合わせられている。

カンパチの昆布締めと葡萄のソースなど、彩りも美しく、この空間にふさわしい。

シェフ渾身の料理に、ぜひともイタリアワインと共に舌鼓を打ちたい。

青山通りから徒歩わずか30秒の路地裏に、ヨーロッパの邸宅を思わせる重厚なエントランスが。この場所で一軒家の作りは極めて貴重だ


ここは、視覚と味覚を刺激する〝ミュージアムレストラン〞とも言える。訪れる者の感性に訴えかけてくる、実に青山らしさに満ちた一軒だ。

人は、常に自分の経験したことのない事柄を追い求めるもの。

ぜひともその目と舌で、この未知の感動を味わってほしい。

Photos/Yuji Kanno@SPOKE, Text/Haruka Koishihara

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