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  • 「早く別れた方がいい」結婚願望ナシの年下彼氏に振り回される32歳女に訪れた、甘酸っぱい転機

    ラグジュアリーホテルのバンケットで華やかに開催された新作ジュエリーコレクションの発表会は、大満足の出来栄えだった。

    菜月の元にもプレス関係者から評価の声が多数届いたし、営業部からの報告によるとオーダーの入りも例年を優に上回る数字だという。

    片付けが開始された会場の隅で、菜月はフリスクネオ ストロベリーミントを口に含む。身体中に広がる達成感とともに爽やかな甘さが広がり、瞬時に気分をリフレッシュしてくれた。

    ふと思い出し、しばらくずっと放置していたスマホを取り出す。すると、珍しく爽太からLINEが届いているではないか。

    “菜月、発表会お疲れ様!週末はゆっくり会えるかな?”
    “実は、話したいことがあるんだ”

    待ち続けていた言葉


    その週末、爽太は昼過ぎに、菜月が暮らす目黒のマンションまでわざわざ迎えにやってきた。

    そんなこと、付き合い始めた当初に数回あった程度だ。特にここ最近などは、デートといっても爽太の家で過ごすことがほとんどだった。

    「ランチでも行くか」と誘われ、家を出る。


    心地よい秋風を頬に感じて微笑んだら、爽太がそっと、手を握ってきた。

    「菜月、ぜんぜん連絡してくれないんだもん。心配したよ」

    久しぶりに会ったら、口を尖らせながら思いがけず可愛いことをいう爽太に、菜月はちょっぴり照れる。

    「…ごめん。発表会の準備でいっぱいいっぱいで」

    「ふーん」と拗ねたような声を出す爽太に、菜月はここ最近感じた、自身の心境の変化を伝えることにした。

    「今回ね、責任ある立場を任せてもらえて煮詰まったりもしたんだけど...好きなカフェでゆっくりお茶したり、最近お気に入りのフリスクネオを食べながら仕事をしてたら、残業も苦にならなくて。私やっぱり仕事好きだなって改めて感じたんだよね。

    これからはもっと自分から、積極的に関わっていきたいって強く思った。

    自社のジュエリーが好きだし、一緒に働く仲間も尊敬できる。そんな風に思えるのって幸せなことだよね」

    言い終えた後で、つい熱っぽく語ってしまった自分が恥ずかしくなった。しかし菜月を見つめる爽太の目は、これまでになく優しい。

    「俺さ、実は少し前から考えてたんだけど、そろそろ引っ越そうかと思ってて。ちょうど更新も近いし…」

    「え?」

    急に話題を変えた爽太に戸惑っていると、彼は繋いでいた手に、ぎゅっと力を込め、菜月の顔を覗き込んだ。

    「その...菜月がよければ、一緒に暮らさない?

    俺もその...何も考えてなかったわけじゃなくて。ただ行動に移すきっかけがなかったんだけど...一生懸命に仕事してる菜月を応援したい。でもどんどん忙しくなって会えなくなるのは寂しいよ。

    それにこの前、望月の結婚式に出て、なんかしみじみ思ったんだよね。誰かと支え合って生きるって、いいなぁって」

    −それって、もしかして…。

    声にならない菜月の思いを見透かすように、爽太はゆっくりと頷く。そして、菜月がずっとずっと待ち続けていた言葉を、ついに口にしたのだった。

    「菜月、俺と結婚しよう」

    Fin.

    菜月が気分転換の時に食べていた『フリスクネオ ストロベリーミント』の詳細はこちら!

    ■衣装協力:P1 シャツワンピース¥2,990(アース ミュージック&エコロジー ナチュラル レーベル/アース ミュージック&エコロジー 東京ソラマチ03-5637-8343)P2ブラウス¥6,990(イェッカ ヴェッカ/イェッカ ヴェッカ 新宿 03-3349-5648)P3 ワンピース¥7,990、ネックレス¥3,590(ともにイェッカ ヴェッカ/イェッカ ヴェッカ 新宿)靴、バッグ:スタイリスト私物

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