路地裏の和食屋から真っ暗闇のバーへそぞろ歩く。これが神楽坂の大人のデートプランだ!

充実した食事の余韻に浸りながら、神楽坂通りを下っていく。通りは一方通行なため、車が少なく、落ち着いて歩ける。

小さな店が多いからか騒がしい団体の酔客が見当たらず、他の街より静かなのもいい。

そう思いながら歩いていると、パワースポットとして知られる毘沙門天がライトアップされていた。

「ちょっと寄ろうか?」と彼女を誘い、本堂の階段を上がる。神楽坂通りを見下ろすことができ、道行く人の流れを感じられた。

もう少しこの街をそぞろ歩きしたい気持ちになり、のんびりと2軒目のバーへと向かう。

行き先は、〝暗闇バー〞として以前から噂に聞いていた『歯車』という店だ。住所どおりに小径を進むと、古いマンションのようなビルの1階に、ほのかに灯る店の看板が見えた。

扉を開けると、そこは夜にして外より暗い空間。BGMもなく客層は落ち着いた紳士淑女たち。アウェイに来たか…という緊張感を胸にテーブルについた。

どうしたものか考えているとバーテンダーの方が「お食事の帰りですか?」と話しかけてくれた。

和食を食べ日本酒を飲んだことを伝えると、口に残る甘みをさっぱりさせる果実のお酒を提案された。いつしか目も慣れ心も安らぐ。この静謐な暗闇は、一度体験するとクセになる。

店を出て飯田橋に向かい歩くと、同じ通りに小さなワインバーやビストロが並ぶ。「今度はここ入ってみたいな」と彼女が言った。なぜ神楽坂デートが次に繋がるか、納得した瞬間だった。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo