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  • 誘われない女 Vol.1

    誘われない女:「男に媚びる必要なし」と言い切るバリキャリ美女が、“なぜか負けた気になる”女の正体

    東京には数多くの美女がいるが、その中でもこんなタイプの女が存在する。

    それは、美人なのに“誘われない女”だ。

    外資系アパレルブランドのPRを務める夏希(29)は、目鼻立ちのはっきりした美人で、仕事もでき、社内では憧れられる存在。

    しかしある女の出現で、絶対的な夏希の自信が、少しずつ崩れ始めて…。


    夏希には、この世で大嫌いなものが2つある。

    男に媚びる女と、それを許す男たちだ。



    「朝5時からランニング!?…さすが外資系証券マン♡すご~い!」

    ―また、始まったわ…。さとみの「さすが」・「すごい」攻撃。

    今日は同期のさとみに誘われて、外資系証券会社勤務の男たちとの食事会に参加していた。夏希がこうした場に来るのは、久しぶりである。

    「夏希ちゃん、飲んでる~~??」

    夏希が会話に加わらないのを気にしてか、さとみが小さく首を傾げながらやって来た。こちらを見る目は潤み、ざっくりニットのVネックからのぞくデコルテはほんのり赤味がかっていた。

    「うん、大丈夫」

    ワイングラスを持ちあげ、めいいっぱいの作り笑顔で答える。話の輪には入らず黙々とワインを飲んでいると、斜め前に座っていた男が話しかけてきた。

    「ワイン、お好きなんですか?」

    「えぇ…。すみません、1人でたくさん飲んでしまって」

    しかしそのやりとりは、隣に座るさとみの黄色い声に一瞬でかき消された。

    「えぇっ!?地元、兵庫なんですか?私、その近くの幼稚園通ってた~~♡」

    夏希は、小さく溜息をつく。

    さとみがいると、どうしたって調子を狂わされるのだ。

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