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  • 3年目の失恋 Vol.2

    3年目の失恋:「実は、ずっと好きだったんです」結婚目前の男を揺さぶった女。その結末は・・・?

    男女の恋の違いは、こんな風に言われる。

    女が恋するときは"上書き”保存、男は別フォルダ。

    女性は過去の恋をすぐに振り切り、次の恋へ進むのだ。しかし女にだって、上書きできない恋はある。

    それが、毎日顔を会わせる社内恋愛だったら、尚更のこと。

    渋谷にある大手IT企業に勤めるリナ(26)には、入社以来3年片思いしている先輩・哲也がいた。

    哲也と美和子の新居に遊びに行ったリナ。しかし二人の幸せそうな姿を見るのが辛く、途中で帰ることに。

    帰り道は哲也が送ってくれることになり、二人きりになることに成功するが・・・?


    「迷惑かけちゃって、すみません」

    リナが申し訳なさそうに言うと、哲也は「全然問題ないよ」と笑顔で応じた。

    二人の三軒茶屋のマンションから、中目黒にあるリナの家まではタクシーで15分もかからない。どうやって哲也に想いを告げればいいのか、リナの頭の中には様々な言葉が浮かんだ。

    思い返せば、自分の気持ちに蓋をしてきた毎日だった。想いを告げようとしたことは何度もあったが、「一方的に想いを告げても迷惑かけるだけ」と、逃げていたのだ。

    しかし毎日顔を会わせるからこそ、この気持ちに整理をつけないと、きっと前には進めない。

    「ここで降ろしてもらっていいですか?」

    山手通りを右に入り、マンションンの前で降ろしてもらった。もうこのタイミングで、言うしかない。

    「今日は、ありがとうございました。二人の幸せそうな姿見てたら、すごく羨ましくなっちゃった」

    そして、勇気を振り絞ってこう言った。

    「・・・実は私、哲也さんのことが好きだったんですよ?」

    明るく言ったつもりが、声が少し震えている。そしてその言葉に、哲也は驚いた表情を浮かべ、こう言った。

    「ありがとう」

    その言葉に、リナの笑顔が少し歪む。

    今までの人生の中で、一番悲しい「ありがとう」だった。

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