それも1つのLOVE Vol.18

それも1つのLOVE 番外編II:男を翻弄し続けた美女の、秘められた本音

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

渋谷のIT系企業で広報をしている衣笠美玲(きぬがさ・みれい)は、その美貌と知性で欲しいものは全て手に入れてきた。

美玲は永らく、慶應義塾大学時代のゼミ同期である翔平と特別な関係だったが、医師免許も有する医療系企業の経営者・誠一郎とあっさり結婚してしまう。

しかし実は婚約中に一度だけ、美玲は翔平を誘惑

翔平との一夜は、ただの気まぐれだったのか。それとも...?


私が結婚する相手


−これで良かったんだわ。

虎ノ門ヒルズ51階、『アンダーズ東京』のバンケットルーム。

ヴェラ・ウォンのドレスに身を包んだ衣笠美玲は、今しがた夫となった誠一郎の、卒のないウェルカムスピーチを聞きながら改めてそう思った。

誠一郎とは、共通の友人を介し、美玲に一目惚れしたのだという彼からの猛プッシュで付き合いが始まった。

しかし実際は美玲も、彼と初めて会った時に本能で感じていた。

彼こそ私が結婚する相手だ、と。

長身でスマートな身のこなし、涼しげで端正な顔立ち。

実家は東京・四ツ谷の開業医で彼自身も医師免許を持ち、さらにはビジネスセンスにも恵まれ経営者としても成功を収めている誠一郎に、非の打ち所などない。

そして、自分で言うが、運にも遺伝子にも恵まれた、そんな彼にこそ私はふさわしい。そう思ったのだ。

列席者から送られる拍手と祝辞のシャワーを一身に浴びながら、美玲は親族席に笑顔を送った。

両家の親族からは同じ種類の、洗練された空気が漂っていて、この結婚の正しさをまた思い知る。

視線を戻す途中で視界の端に翔平の姿を捉えた気がしたが、気づかぬふりをした。

翔平は...美玲が人生で唯一、失恋した男だ。

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