夜更けの赤坂で、女はいつも考える。
大切なものは、いつも簡単に手からすり抜けてしまう。
私はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。
29歳、テレビ局の広報室で働く森山ハナは、ひと回り年上のプロデューサー・井上と出会う。
井上に再度告白されて悩むハナに、親友の葵は「自分勝手」と責め立てる。
―井上さんと一緒にいた女の人、この人じゃない?
葵から送られてきたその女性の画像は間違いなく、あの夜井上さんのマンションの前で見た女性の顔 だった。
「葵、何で知ってるの……?」
その不可解なつながりに、ハナは妙な胸騒ぎを覚える。茫然としていると、葵が続けざまにこう......
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