夜更けの赤坂で、女はいつも考える。
大切なものは、いつも簡単に手からすり抜けてしまう。
私はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。
29歳、テレビ局の広報室で働く森山ハナは、ひと回り年上のプロデューサー・井上と出会う。
元彼・渉とやり直すも、心の中では井上のことが忘れられないハナ。しかし今度は、井上の心が離れていってしまう?
「はー…、美味しかった。やっぱりハナの作るご飯が、1番だよ」
そう言って渉君は、ソファにごろんと寝転んだ。
2人で過ごす、久しぶりの週末。結局2日間とも一緒にいた。
日曜の今日は、昼過ぎに起き出した渉君のために、トマトソースのパスタと簡単なサラダを作ってやった。
......
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