港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。
人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。
港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。
これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。
白金で生まれ育ったお嬢様の格の違いを思い知り、港区タワマン・オワコン説に異論を唱えた凛子。港区派閥争いを見て、港区で生きる孤独を知るが...。
鬱陶しい梅雨は、永遠に終わらない季節のように感じることがある。
凛子は、雨が嫌いだ。お気に入りの靴も洋服も、雨の日は勿体ぶって大事にクローゼットの奥に仕舞い込むため、お披露目する機会がない。
髪だって、せっかく綺麗に巻いても15分もすれば湿気で元どおり。
今日も、家......
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この記事へのコメント
この話を読んであまりにもリアルだったため、その取材力に驚きました。