東京マザー Vol.7

東京マザー:刷り込まれた「良妻賢母」という幻想。理想の自分になれず、一人で苦しむ女

子を産み、子を育て、家を守る。

昔からあるべき女性の姿とされてきた、“良妻賢母”。

しかしその価値観は、現代においてはもう古い。

結婚して子どもを産んでも、男性と同等に働く女性が増えた今こそ、良妻賢母の定義を見直す時だ。

家庭も、仕事も、子育ても、完璧を目指すことで苦しむ東京マザーたちが模索する、“現代の良妻賢母”とは、果たしてどんな姿だろうか。

レコード会社で働く佳乃は出産後、時短勤務で復職した。夫の紀之は家事を手伝ってはくれるものの、仕事と子育てに追われる佳乃は、イライラを募らせていた。


「きのう、一体何時に帰ってきたのよ」

朝7時、佳乃は朝食の準備をしながら紀之に言った。

紀之はまだ眠たそうな顔でリビングのソアファに座り、あかりの相手をしている。

「ああ、何時かな。2時ぐらいかな」

「2時?私も2時頃あかりがぐずったから起きたけど、あなたまだ帰ってなかったわよ」

佳乃はそう言いながら、バルミューダのトースターで焼いた食パンに、手際良く発酵バターを伸ばす。部屋にはトーストとコーヒーの香りが充満しているが、それを楽しむほどの余裕なんて、佳乃にはない。

「あれ、そうかな。でも3時にはなってなかったと思うけど・・・ねえあかりちゃん」

あかりをあやすふりをして、紀之は佳乃の会話から逃げるのだった。

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