婚活は、ワインスクールで Vol.2

既婚女性は一枚上手。一流の男たちを捉えて離さない、26歳人妻の実力

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


30歳の美咲は、ワインスクールには上質な男が集まると聞きつけ、婚活のために”表参道ワインアカデミー”への入学を決意する。

初回の授業でそうそうたる職業の男性たちを目の前にし、胸を踊らせる美咲だが……?


「美咲ちゃん、帰りに一杯飲んでいかへん?」

初めての授業の帰り道、美咲は隣の席の女性・芹那から声をかけられ、彼女がよく行くという『ダブリュー表参道ザセラーグリル』へ一緒に行くことになった。

併設のワインショップで販売されているワインを購入すれば、抜栓料のみで持ち込みして飲むことが出来るため、ワイン好きの間では人気のお店だ。

美咲は授業中からずっと気になっていたことを思い切って尋ねた。

「芹那ちゃんってどうしてそんなにワインに詳しいの?」

「あ、それはな、うーんと…。」

ハキハキと物を言うはずの芹那が珍しく口ごもったが、美咲ちゃんだから言うんやで、と前置きしてから話し始めた。

「大阪にいた頃、お店のお客さんに美味しいワイン、よく飲ませてもらってたんよ。」

そして彼女は、自分自身について色々なことを語ってくれた。

芹那は大阪時代、北新地のお店で働いていたそうだ。ちなみに芹那の夫は、当時の上客のひとりであったIT企業の経営者。プロポーズをされ、彼の本拠地である東京に越してきたとのことだった。

「東京で一花咲かせるのが、昔からの夢やねん。」

芹那はきっぱりと言った。

—上昇志向が強そうな子ね…。

美咲は芹那の勢いに押されながらそう考えていた。

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