靴と東京と私 Vol.6

「守ってあげたい」と思わせた方が勝ち。良妻を目指す女と、独身キャリア女の摩擦

いつの時代も、靴が女性を素敵な場所へと誘う。

どんな靴を履くのか。そこに女性の今後の人生に対する、強い意思が宿る。

2017年の東京を歩きゆく女たち。

彼女たちは、人生のパートナーとして、どのブランドの靴を選ぶのか。

靴と東京と私。靴なしでは、女の人生は語れない。


【セルジオ ロッシを履く女】

名前:百合子
年齢:33歳
職業:元総合商社勤務で、現在は専業主婦。
住まい:青山一丁目
好きな店:『リバイヴキッチン』『テール・ド・トリュフ東京』

負けられぬ女の戦い


「よし、完璧...」

香水を胸元に一吹きし、夫の順平が買ってくれたセルジオ ロッシのオレンジ色パンプスに足を入れ、玄関のドアを開ける。今日は毎月恒例の同期飲みの日だった。正確に言うと、元同期飲みだ。

総合商社に勤めていた時の同期と集まるこの会は、5年前、結婚を機に退職しても未だ参加していた。

四代総合商社の内の一つに入り、それなりに仕事も楽しかった。しかし同期だった順平と結婚することになり、仕事に何の未練もない自分に気がついた。

結婚することで仕事の責任から逃れられる、安堵の気持ちの方が大きかったことを今でも覚えている。

今日集まるメンバーは一昨年独立して自分でチョコレートの輸入会社を立ち上げた結衣、そして今も商社に残り、総合職で活躍している夏実だ。

おっとりしているが芯の強い結衣、そして姉御肌で頭の回転が早い夏実。

毎回、この会に参加するには気合が必要だ。なぜなら、女同士の意地とプライドが容赦なくぶつかり合う会でもあるから。


そして何より一番気合いが入る理由は、夏実が、夫の順平と2人きりでよく会っているのを知っているからだった。

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