薔薇色のバツイチ Vol.9

薔薇色のバツイチ:嫌いな男に知らされた、本命彼の聞きたくないほど不都合な真実

目の前に現れた春馬。やはり今日も、質の良さそうなネイビーのコートに、おろしたてのように綺麗な黒のスニーカーを履いていた。

「ちゃんと待っててくれたんだ」

立ったままの春馬にニヤケ顔で言われて、あゆみはムッとしながら返す。

「用件は何?今日、私と一緒にいた彼のこと知ってるの?」

この質問に春馬は答えず、あゆみの正面に座ると悠然とメニューを手に取り「何にしよっかな~」と楽しそうに選び始めた。

いつだて春馬は、自分のペースを崩そうとしない。あゆみより6歳も年下の春馬の方がいつも、会話の主導権を握る。

春馬はレッドアイをオーダーした後、ようやくあゆみをきちんと見た。

「あの人ね、何度かあの店で見たことあるんだよね。いつもモデルっぽい綺麗な女とイチャついてるよ。あんたよりだいぶ若そうな子」

最後の一言が余計だと思いながら、あゆみは怯まずに返す。


「あら、そう。それが何か?そんなの気にすることじゃないわ」

半分本音、半分強がりだ。幸夫が派手な生活を送っているのは承知の上。幸夫が言った、「離婚するの待ってたよ」という言葉を、あゆみは信じているのだ。

「まさかそんな事を言うために、私をここに呼び出したの?」
「うん、......


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