靴と東京と私 Vol.3

靴と東京と私:ジミー チュウで保つ女のプライド。32歳、結婚の代わりに手に入れたもの

いつの時代も、靴が女性を素敵な場所へと誘う。

どんな靴を履くのか。そこに女性の今後の人生に対する、強い意思が宿る。

2017年の東京を歩きゆく女たち。

彼女たちは、人生のパートナーとして、どのブランドの靴を選ぶのか。

靴と東京と私。靴なしでは、女の人生は語れない。


【ジミー チュウを履く女】

名前:香織
年齢:32歳
職業:保険会社営業
勤務地:丸の内
住まい:四ツ谷
好きな店:『レゾナンス』『アルカナ東京』『オザミトーキョー』

気がつけば部下が増えている32歳


丸の内線を降り、新丸ビルの方までヒールをカツカツと鳴らしながら闊歩する。今朝車内で読んだ日経新聞電子版の記事を思い返しながら、会社に着くや否や鬼のように溜まっているメールを整理し、11時からアポを取っている新規顧客への営業資料整理に取り掛かる。香織の朝は兎にも角にも忙しい。

「真美ちゃん、この前頼んでいたリサーチ結果どうなってる?」

「あ、すみません...まだ終わってないので、すぐに取り掛かります。」

はぁ、と大きな溜息が出た。呑気に手鏡で前髪をチェックしていた25歳の真美に対し、“最近の若い子はこれだから困る”と言いかけた言葉を呑む。まるで自分が年を取ったことを認めるような発言だった。

「今日中に必要だから、早急に取り掛かってちょうだい。」

分かりました、と小さく頷く真美の哀しげな表情を見て心がチクリと痛むと同時に、若さ故に許されることの多さに嫉妬心も芽生える。

私も、昔はミスしても可愛く“すみません”と言えば必ず誰かが助けてくれた。あの頃は可愛かったはずなのに...

そう思いながら先週末、彼氏の俊輔と買い物に行った際に、銀座で買ったジミー チュウの真新しい黒のパンプスにちらりと目を向けた。

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