2016.11.21
二子玉川の妻たちは Vol.1通勤地獄よ、さようなら。私、結婚して、サロネーゼになる!
「結婚してサロンをオープンする」というのが、損保OLをしていた独身時代から由美の野望だった。
きっかけは、マリ先生と呼ばれる女性。
銀座の自宅で「Luxe(リュクス)」というポーセラーツサロンを主宰している彼女のブログを見つけた時の衝撃は忘れられない。何もかもが羨ましかった。
平日週3日、自宅リビングでレッスンを開催。レッスンがない日はサロネーゼ仲間や友人とランチに出かけたり、エステやネイルサロンに通ったり自由気ままに過ごしている。
広々としたLDKに置かれた大きなテーブルセット。1度に10人が着席できるキャパシティがあるにも関わらず、ポーセラーツサロンLuxeはいつも満席。
マリ先生を慕うあまり彼女を神格化する生徒たちもいて、SNS上には#マリエンヌというタグまで誕生。マリ先生のファッションから持ち物、訪れるカフェや旅先…何から何まで真似をしているのだ。
低能な集団!と鼻で笑う由美だったが、多くの女性から憧れられるマリ先生のカリスマ性は、認めざるを得ない。
ブログに掲載されるレッスン風景は、さながらお喋りを楽しむ女子会の延長。集まっている生徒たちから技術に対する向上心は感じられず、マリ先生に会いに来ているだけではないかと思われた。
それでいて、1回2時間のレッスン費は4,000円。材料費等は別だから、単純計算して1回のレッスンが満員だと40,000円の売上。平日3日、午前午後2回レッスンをしているから…月商100万円?
なんて楽な仕事なんだろう…!
毎日毎日、川崎の実家から丸の内まで、社畜同然の満員電車でオフィスに通う自分が可哀想に思えてくる。そうやってあくせく働いても、手取り20万そこそこのお給料しかもらえないというのに。
そう思ったら居ても立ってもいられず、Luxeに申込メールを送っていた。
レッスンに通い始めると同時に、由美は婚活も本格的にスタートさせた。それまでももちろんお食事会に顔を出していたが、「結婚してサロンをオープンする」という目的が定まった以上、もう遊びは終わりだ。
狙うべきは、自分が働かなくても生活に困らない相手。
バックアップしてくれれば最高だが、そうでなくても自由に好きなことをさせてくれる男。
ルックス中の上の損保OLには高望みかと思われたが、昔取った杵柄、アイドルスマイルが功を奏し、由美はめでたく昨年、一流商社マンの妻の座を獲得した。
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