何店行った? 2016年オープンで早くも名店な、ハレの日向け極上レストラン5軒

感激した赤坂の店で薪を学んだ田窪シェフ。田くぼ牛はオリジナルの銘柄牛で、ほどよい脂がクリスピーな焼き上がりに。濃厚な赤身の美味しさも味わえる

立ち上る煙と香り。圧倒的な臨場感に興奮!『タクボ』

代官山

カウンターから丸見えの開放暖炉に薪をくべる田窪大祐氏。網の上に塊を置けば、滴る脂で力強く煙が上がり、何とも芳しい肉の香りが漂う。「この自然な熱源こそが薪で焼くことの魅力」

氏が薪で焼く肉の魅力に開眼したのは今から2年ほど前。赤坂の名店で食し、衝撃を受けた。

「長く料理人をやっていると、驚くことって滅多にない。けれど、炭火が一番じゃなかった」

十勝 田くぼ牛 サーロイン薪焼き。コースに+¥3,000で変更可

遠火でじっくり焼く炭は均等に火が入るが、薪の場合、外はバキッとクリスピーで、中はジューシーに仕上がる。中と外で異なる「焼きのグラデーション」こそが、薪の魅力なのだ。

「恐らく、日本初じゃないかな、オープンキッチンで開放暖炉(笑)」。美味を知ったら挑まずにはいられない、その料理人魂が清々しい。

千葉県産仔猪のサルシッチャと賀茂茄子 手打ちパスタ ピーチ。パスタなど田窪氏の前店『アーリア ディ タクボ』から継承された料理もそろう。料理はすべて¥9,500コースより。

カウンター主体の店内。奥には個室の用意も。食後のコーヒーは丁寧にハンドドリップ。ミルもその都度回し、今野雄貴氏が86~88℃の湯で淹れている。豆はグアテマラ産ブルボン種で、果肉の香味も活きたナチュラルクロップ。優良農園の一級畑産を扱う『ミカフェート』から仕入れる。

ミネストローネ。通年出す、シグネチャー料理。サイフォンで提供直前に温める出汁は生ハムの骨、野菜の皮など、捨ててしまう部分で作る

始末の心が息づく出汁で仕上げる代表作『エルバ・ダ・ナカヒガシ』

西麻布

「農家さんには本当に助けられています」。爽やかな笑顔で語るシェフの中東俊文氏。現地にもよく行くか尋ねると「もちろん!」と即答。

「行って直接、お話をしなければ、その食材の活かし方はわかりませんし、料理も考えられません」。

子持ち鮎の炭火焼。秋川渓谷で仕入れる天然鮎で、頭と骨は素揚げに。肝はソースで、ヒレはぬる燗のヒレ酒に。余すところなく鮎が楽しめる

店名のエルバとは草の意味。渡欧経験もあり、コースのどの皿からも着想の源となるイタリア料理が香るが、食後感は独特。滋味の実在を体に教えてくれているような優しさに満ちている。

「世界にももちろん四季はありますが、七十二候は日本にしかなく、その巡りを実感しながら一年間、料理する幸せを今は噛み締めています」

名料理人を父に持つが気負いはなく、己を表す様が愉快。氏の幸福感も盛り込まれているからこそ十数品がそろう料理はすべて心にも沁みる。

手打ちピーチのトマトソース。ダイスにカットした茄子はニンンクとバジルの香味を効かせ、シラスと一緒にハンバーグにしてトッピング。山形産のバジルも香る。料理はすべておまかせコースより。

各皿に寄り添う酒も変幻自在で楽しめる。ペアリングセットは¥5,500~。ワインのほか、グラッパにマタタビを漬け込んだ自家製リキュール×フランチャコルタのカクテルが登場することも。ミネラルウォーターも複数種を提供。実に楽しい。

「食材が料理に変わっていくところを見て頂きたいから」と店内はカウンター主体

ピータン豆腐、よだれ鶏、アワビの酒蒸し肝ソース、海老と黄ニラのXO醤炒め、冷やしワンタンetc.。ごくごく一部だが、多彩さと楽しさは伝わるだろう

確かな技術に裏打ちされた多種多様な品々を『虎峰』

六本木

品数、実に30皿! 前菜とされるものだけで11品、その後に野菜、魚介、スープ、点心類、肉、フカヒレetc.と続く『虎峰』のおまかせコース(¥13,000。ウォーターペアリングを含む)は、めくるめく美食の旅だ。

料理長の山本 雅氏は和歌山出身。大阪の中華料理店を経て、恵比寿『MASA'S KITCHEN』で修業。今年この店のシェフに抜擢された。「技術をカバーするために、ほかにないスタイルを」と少量多皿コースを考えた、と話すが、味わえば、その言葉は謙遜に過ぎないとわかる。

クリーミーなピータン豆腐や、しっとりと仕上げた肉に上品な辛みが絡むよだれ鶏など「ほんの一口」の絶妙なポーションが、次なる皿への期待を掻き立てる。旅はまだまだ終わらない。

コース後半で登場する、豚バラ肉の酢豚と大根餅も人気の一品。赤ワインと共に、ソースも余すことなく味わいたい

スペシャリテのフカヒレは土鍋煮込みのほか、焼いたものも登場。煮込みの締めはリゾットに仕立ててくれる。ペアリングにはムルソーを推奨。

30品のパートナーたるお酒も多彩だ。多くのゲストがオーダーするペアリングコースは、3品に1杯ずつ程度サジェスチョンしていく。シャンパン、ワインのほかシェリー、ビールと緩急つけたセレクトで、料理の味わいが増幅する。

次々に料理を繰り出す山本氏の姿に圧倒される。

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