『東京都長期ビジョン』って読んだことある? これでいいのか、東京五輪!


コンサートも陸上国体もW杯も開けない!? 見えない新国立競技場の五輪後の使い道……

前述のとおり、『東京都長期ビジョン』において、「大会終了後も施設は広く長く使用する」ことを強調しているが、紆余曲折を経てようやく決定した新国立競技場についても、オリンピック後の使い道について問題が指摘されている。

サブトラックがないため、陸上の国体やインターハイが開けない。構造上、野球場にもできない。

現在の収容人数は6万8千だが、ワールドカップの会場となるための8万席には届かないため、開催するには改修が必要。

さらに、防音用の開閉式屋根が工費削減のため設置されていないため、コンサートにも向かないのだという。

新国立競技場に限らず、どのような建物も維持費がかかる。巨大な建築物となれば、当然その分維持費も膨大なものとなるはずだが、その費用はどのように捻出していくのだろうか?


都心と主要なオリンピック会場を結ぶ交通手段の切り札は、なんと「バス」!?

『都市戦略2:進化し続ける都市インフラ』では、オリンピックに向けて陸海空の交通ネットワークを紹介しているが、気になるのは競技会場が集中している晴海を中心とする臨海部と都心を結ぶアクセスの手段だ。

東京都がその手段として発表しているのは、BRT:Bus Rapid Transitと呼ばれる「バス」(東京都都市整備局より)。京成バスが事業者となり運行することが決定している。現在の計画では、新橋駅〜勝どき間で1時間に片道600人程度の輸送力だという。

もちろん、いざとという時は、台数を増加するなどして観客が円滑に移動できるよう努めるだろうが、ベースとなるのが上記の輸送量では、ピーク時に対応できないような気がするのだが、問題ないのであろうか。

また、おそらく渋滞緩和を狙ってのことなのだろうが、停留施設には高層マンションなどの民間敷地を利用するという計画が検討されているという。だが、観光客に見つけにくいものになる恐れも大いにあると同時に、住民とのトラブルが発生することも想像できる。

混雑や遅延、わかりにくいバス停留所などが、日本を訪問した観光客のストレスとならないことを祈るばかりだが……。

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