一方僕は、そこそこモテる方だと思いますが、ヒロム氏のような天井人と比べると悲しくなるほどの中段。恋愛工学生と言われる現代の男たちのマジョリティです。
身長175cm、年収1,080万。
広告代理店勤務 営業マネージャー。
車は・・・持っていません。
天賦の才能はないけれど、したたかな下心を、ポップなカンバセーションと、クールなスーツで覆い隠して、じわじわと脱がせていく。先人達の知恵を巧みに身に付け、女たちを捕獲し果敢に攻めつづけています。僕らのモットーは、「脱がぬなら、脱がせてみせよう、ホトトギス」といったところでしょうか。
ちなみに、これを読んでいる皆さんの中にはいないでしょうが、ピラミッドの最下層に、うごめく男たち。
彼らのモットーは、「脱がぬなら、拝み倒そう、ホトトギス」でしょうね。常に女に飢えていて、”そのため”なら土下座さえ辞さない。彼らのプライドは常に女たちから陵辱され続け、しかし、その屈辱を凌駕した欲求不満に苦しんでいるのです。あぁ、こうならないためにも、日々勉強、日々精進です。
ちなみに、上位層と、下位層の間の中間層は肥大化しているので、太り過ぎた腹を抱えて足が見えない中年オヤジの如く、ヒロム氏のような天上人からは、最下層の男たちの生態系は、伺い知ることはできません。現実とは残酷です。
青山ヒロム。青山ヒロム。青山ヒロム。
3回唱えたところで、僕は彼にはなれないし、絶望的な気分はアッパーな気分に変わってはくれないし、僕が直面する平凡な現実は、怠惰なオバハンのようにゴロンと目の前で横たわっています。
だったら、恋の戦士として、神からも愛されたヒロム氏とタックを組んでこの東京恋愛ジャングルに進んで行く方が得策というもんでしょう?
これは、天上人・ヒロム氏と出会った僕の、ちょっぴり切ない34歳の夏の物語。
雑食系男子・植木くん
慈恵医大を卒業後、34歳で独立し恵比寿で眼科を開業したイケメンドクター・青山ヒロムと、一流企業で働く魅力的な女たちが東京を舞台に繰り広げるセクシャルで時に切ないラブコメディ。
そんな青山ヒロムと、女性たちの展開を側で見守るのは、女となれば見境がないのに、何故か憎めない雑食系・広告代理店男子・植木くん。
これは『青山ヒロム』を間近で見つめる、とことんチャらくて、ちょっぴりピュアな植木くんのサイドストーリー。
ある夏の夜から、この物語は始めるー。
この記事へのコメント
コメントはまだありません。