日本で冷やし中華を生み出した名店で、冷やし中華の極意を聞いてきた!

暑くなると恋しくなるのがあっさりおいしい「冷やし中華」。今や日本中で食べられている冷やし中華の生みの親といわれているのが、神保町の『陽子江菜館』だ。

今回はこの名店のおいしさに迫るとともに、家庭でできる冷やし中華のおいしい作り方も伝授していただいた!

「元祖冷やし中華」(¥1,510)

今や日本中で愛される「冷やし中華」誕生秘話

明治39年創業の老舗中華料理店『揚子江菜館』で、冷やし中華が誕生したのは昭和8年こと。二代目オーナーが考案した冷やし中華は、今や日本中で親しまれる味となっている。

「冷やし中華」と聞き、麺の上に山状に盛られた具という絵を思い浮かべる人が多いはずである。その原型を作り出したのが「揚子江菜館」の二代目オーナーなのだ。オーナーは神保町の店舗から見えた富士山からインスピレーションを受けたという。具が模る山の上にふんわりとのる錦糸卵は、富士山にかかる雲を模している。

美しく盛られた具材が食欲をそそる。

麺やタレ、具に至るまで昔の味を守り抜く

昭和8年の提供開始から現在まで、味の変更は一切なし。全て当時のレシピを守り続けているのも『揚子江菜館』のすごいところだ。
具は全部で10種類。
(画像の上から右へ)煮タケノコ、寒天、チャーシュー、キュウリが麺に沿うように山型に盛られ、シイタケ、エビ、サヤエンドウが彩りを添える。ウズラ、肉団子も隠れているのだが……どこに入っているか、わかるだろうか? 実は錦糸卵の中に潜んでいるのだ!

「二代目オーナーが遊び心で、このような盛りつけにしました」と語るのは四代目の陸さん。食べ進めるごとに、新たな食感と味に出会える。

今でこそ一般的な料理のひとつになっている「冷やし中華」だが、提供を始めた当時は、10種類もの具材がのった麺は珍しく、高級品とされていた。夏に食べることを考え、栄養バランスやあっさりとした食感にはこだわり抜いたそう。

食べ進めると顔を出すウズラや肉団子。

実際に食べてみると、見た目の美しさだけでなく、おいしさにも驚く。酢や砂糖を使用した秘伝のレシピで作られるタレは、あっさりしていながら、しっかり麺に絡み、優しい甘みと酸味が夏の胃に優しくしみわたっていく。

麺は特注麺を使用。時間が経ってから食べても伸びることなく、おいしく食べられるよう卵をふんだんに使用して作られているという。また、具ひとつひとつも全てお店で仕込んだものを使用。一切既製品は使用しないのも提供開始当時からのこだわりだ。

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