スタイル抜群の美女を隣に連れて歩く・・・男の優越感!
「最初私のクラスにきたときから、実はいいなって思ってたんだよ。」
目黒の焼鳥屋『ガルス』での二度目のデートで、那奈は言った。
3杯目のビールを飲んでほんのり赤くなった那奈は、ノースリーブから伸びる細い腕を僕にぴたりと密着させた。4杯目のビールを煽ったあと(那奈はビールが好きらしい。)その腕は僕の腕にくるっと巻きつけられた。
まさか自分に、こんなモテ親父系雑誌に書いていそうな状況が訪れるとは。
彼女としては抜群の女性。しかし、人生の伴侶としては・・・?
その晩から、僕と那奈は、頻繁に会うようになった。
スタイル抜群の那奈は、その曲線美を強調するようなぴたりとしたワンピースを好んで着ていた。そして、その体をぴたりと密着させて歩けば、すれ違う男たちが、羨望の眼差しを僕に投げかけてくるのがわかる。あぁ、この優越感・・・男性ならわかってくれるだろうか?
しかしそんな那奈だが、少々欠点もある。彼女は少々トンチンカンなところがあるのだ。
例えば、「G7」を「神7(God of 7)」の略と言ってケタケタ笑ったかと思えば、アメリカの大統領選挙候補者で何かと話題のドナルド・トランプのことを、「ウォルトディズニーの親戚」か何かだと思っていたりする。
彼女としては抜群の那奈。だけど、人生の伴侶として考えると・・・どうなんだろうか?
33歳という年齢から、僕は次付き合う人とは結婚を真剣に考えている。
ちなみに僕は、家電製品を買うとき、アスキーやDIMEといった雑誌に載っている類似商品との比較表を穴があくほど見る。それから、ネットで商品レビューを集め、いざ買うとなったら、価格コムで最安値を探し出すのだ。家電でそれなら、こと一生に一度(と決めている)の結婚はもっと慎重になってしかるべきだろう。
黄色信号は、注意して進めではなく、止まれだと聞いたことがある。