あなたは『カッシェロ・デル・ディアブロ』というワインをご存知だろうか。チリの名門『コンチャ・イ・トロ』が誇るプレミアムワインだ。
そんな由緒正しき『ディアブロ』が、なぜ“悪魔のワイン”と呼ばれるようになったのか。まずはその興味深いエピソードから紹介しよう。
“悪魔のワイン”と呼ばれる理由
その昔『コンチャ・イ・トロ』には、最高のワインを貯蔵するための特別な蔵があった。しかし、そのワインのあまりの美味しさに盗みが絶えなかったという。そこで、創業者のドン・メルチョーは一計を案じた。「この蔵には悪魔が棲んでいる」という噂を流したのだ。
時代は、まだ悪魔や魔物への信仰が強かった19世紀のチリ。その噂は瞬く間に広まり、幸いにしてワインを盗む者は激減したという。
後世、“悪魔伝説をつくりあげてまで創業者が守りたかったプレミアムワイン”として、その名を知られるようになった『カッシェロ・デル・ディアブロ』。
現在では、ワインボトルの随所で怪しく微笑む“悪魔”のモチーフで、多くのワインファンに親しまれている。
著名なワインテイスターをもうならせる、圧倒的な品質
もっとも、このワインを語る上では、個性的なエピソードのみならず、その品質の高さへの言及が欠かせない。
名高いソムリエが「この価格帯でこれほど高品質なワインは世界中を見渡しても殆どない!」と言い切るほどの品質の高さ。
日本での知名度こそまださほど高くないが、国内外の著名なワインテイスターをもうならせるその品質の高さは、世界各国の品評会でメダルを取り続けていることにも表れている。
世界130ヶ国以上で販売され、年間で約500万ケースも出るという実績からも、その信頼と人気の高さが窺い知れよう。
その裏には、9000ヘクタールにも及ぶ自社のブドウ畑をすべて把握し、最上のブドウにこだわり続ける醸造家マルセロ・パパ(『カッシェロ・デル・ディアブロ』ワインメイキング担当)の情熱が光り輝いている。
しかし、どんなにカッコイイことを言っても、美味しいかどうかは最終的には自分の舌が決めるもの。悪魔伝説に守られたプレミアム・チリワイン『カッシェロ・デル・ディアブロ』はいったいどんな味わいなのか?肉とワインをこよなく愛する東カレ編集部員3名が実際に味わってみた。