上京女子ストーリー Vol.2

青森で優等生だった私は、東京で“素”になれたかもしれない。

東京には、地方から上京して、パワフルに活躍する女性が数多くいる。

彼女たちは、何を考えて上京したのか。
どのようにして東京に馴染んでいったのか。
思い出が溢れる、愛着ある街やレストラン。
そして今、東京で何を思う?

今回は青森県出身で、スターフェスティバル株式会社の広報部長を務める石尾怜子さんに話を伺った。

時期が来れば自分は東京に行くだろう、というぼんやりとした確信があった


私にとっての上京は、ごく自然な流れという感じでした。

特に強い思いで東京に出たいとか、都会への憧れがあったわけではありません。ただ小さな頃から、時期が来れば自分は東京に行くだろう、というぼんやりとした確信がありました。

出身は青森です。故郷は今も大好きで、田舎が良くないとか、東京の方が優れている、とか、そういう気持ちは全くありません。ネットや働き方など、昔と比べると環境は大きく変わり、地方にいても在り方次第だとは思いますが、東京は人や物へ直接簡単にアクセスすることが可能ですし、まだまだ田舎に比べると圧倒的に利便性が良いと思います。

昔、両親に東京に連れていってもらったことがよくありました。幼心にも、1つの大きな建物にたくさんのお店が入っていて、一か所で買い物も食事も、そして子供の遊び場さえも、すべてが完結するデパートが「すごく便利だ」と感心していました。そして、いつか自分はこういう街に住む、と当たり前のように決めていたんです。

(ところが、東京だと思っていたそのデパートは、実はなんと埼玉にあったということを大人になってから知りました。笑)

なので東京に出てきた当初も、特別な高揚感や意気込み、不安は一切感じていませんでした。ただ、「来るべき時が来て便利さを手に入れられた」と思いました。

敢えて青森と東京との心境の差を挙げるなら、青森にいた頃は私はとってもとっても小さな世界の中での優等生だったと思います。でもそれは実際に真面目で人より優れているものがあるということはなくて、「人目もあるから、一応、お行儀よく、挨拶はきちんとしよう、余計なことは言わないでおこう。」という、空気が読めるというような意味の優等生です。

地元にいた時は気を遣い、わざわざ言わなかったことも、東京では特に空気を読んでおこうかな、とは思わず、はっきりと自分の意見を言ったり主張することが多くなりました。以前より自由になったような感覚もあった気がします。

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