一流ホテルに無料で?!ハワイでも使える「無料宿泊特典」
「この『SPG』は、1年毎のカード利用継続の度に無料宿泊特典が進呈される。世界各地のSPG®ホテルおよびリゾート(カテゴリー1~6)で一泊一室2名まで利用可能な特典だ。
お前の言っていたハワイ旅行だけど、もちろんハワイにもSPGのホテルはある。ロイヤルハワイアンもシェラトンもモアナサーフライダーもそうだ。全て観光地の要所に建つ一流ホテルだぞ。ここで無料宿泊特典を使えば、年会費回収なんて余裕でできるぞ。」
「でも、1年待たなければいけないんでしょう?」
「いや、それが割とすぐに行けるんだよ。貯まったポイントでも無料宿泊特典に交換できて、わずか2,000スターポイントから無料宿泊特典に交換できるんだよ。
100円のカード利用で1スターポイント貯まり、SPGのホテルに泊まれば更に貯まりやすい状態になるんだ(1ドルごとボーナスとして3スターポイントがもらえる)。
さらに驚くべきは入会特典で、入会後3ヶ月以内に100,000円以上を利用すると一気に10,000スターポイントが手に入るから、この時点で最長5泊は可能ということになる。
だから、お前が普段の出張でこの特典を利用して、100,000円分SPGホテルに宿泊代として払った場合(1ドル=100円換算)
・通常ポイント…1,000スターポイント
・SPGボーナス…3,000スターポイント
・入会特典 …10,000スターポイント
■合計 …14,000スターポイント
も溜まるんだ。ハワイのホテルなんて楽々だよ」
この時、既に京介はこのカードもハワイ旅行計画に欠かせない一枚だと確信していた。黄金のカードのポイントをマイルに移行し航空機代に、『SPG』の特典でホテル代を無料に。旅費の大部分を浮かせられる計算だ。
「いやあ、夢が膨らみますね。これなら黄金のカードとの二枚持ちも考えますわ!」
ふと、ここで京介は好奇心で片桐に質問する。
「そういえば片桐さんは、この特典をどういうタイミングで使うんですか?」
「俺はついこないだ使ったな。実は女の子と目黒川へ花見に行ってきたんだけど、その時に歩き疲れるだろうなと予想して恵比寿のウェスティンホテルをスマートに予約してたわけよ。これ、その時の写真・・・」
と、ここで片桐はスマホを取り出し、旅行の思い出写真を京介へ見せつけた。
「へぇ~かわいいじゃないで・・・」
写真をみた京介は全身の毛穴という毛穴から嫌な汗が溢れ出た。
「ダメ元で誘ってみたんだけど、意外とノリノリでOKだったんだぜ♪お前も知ってるかな?ほら、あの笑うとえくぼが出てくる、総務部のみ・・」
「美紗子!・・・ちゃん・・・ですよね。」
食い気味に、声を震わせ荒げながら答える京介。絶望に満ちたその表情は今にも涙が溢れそうでいた。
それもそのはず、片桐がこの前お泊り旅行へ行った相手こそ、京介が絶賛恋愛中のあの"美紗子"なのだった。
その尋常じゃない様子から片桐も否応なしに察してしまった。
「そっか、お前の話してた今いい感じの子って・・・。なんか・・・ごめんな・・・。」
「いや・・・片桐さんは悪くないです。たぶん慎重になりすぎて告白しなかったので友達みたいに思われたんですね・・・。」
「よし、今夜は飲もう。飲んで忘れよう!俺の奢りだ!」
「言いましたね!限度額いっぱいは覚悟して下さいよ!!」
と、夜の繁華街へと消えた二人であった。
危うく現代版・メッシーとなりかけた京介は、"清楚系小悪魔女には注意せよ!"との教訓を得たのであった。ただ、黄金のカードの特典のおかげで勉強料も半分で済んだ事は幸運といえよう。
次回の恋までに『アメックスのゴールド・カード』に加えて『SPG』を使いこなし、ポイントも万全にし、幻に消えたハワイ旅行を未来の彼女と夢見る京介であった。