前回までのあらすじ
34歳、既婚者の“私”が、妻子持ちの結城と恋愛関係に発展し1年経った頃。結城のひとり息子に対する愛情表現が手料理であることから、彼の過去や出生のルーツを知る事になる。
ある日、その手料理を食べたいと懇願した”私“。結城と共に食材を買い出しに行くが、いつか終わりがくる関係性に複雑な思いを抱いていた。
第11話:雨降る夜。同じ傘の下で、買い物袋を持ちながら結城と歩く。
オリーブの木を買った。小豆島のオリーブ農家から取り寄せたレッチーノという品種。さほど世話をしなくても、いや、正しくは、少し放っておいてあげるくらいが“ちょうどよい愛情のかけかた”なのだと言う。
暫くの間、翳んだような緑色の葉をつけるその木を見つめているうちに、気が付いた時には、この......
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