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東京札幌物語 Vol.4

東京札幌物語:上京3年後、希26歳。女は、東京の彼氏で手っ取り早くレベルアップ?

故郷の恋人と別れ、東京の彼氏と付き合うことで変わる女心・・・?


みなさん、ご無沙汰しています。

北海道から上京してきた私も東京生活3年目になりました。

お決まりの展開だと笑いますか?

地元の恋人、まぁくんとは一度距離を置くことになりました。

中学校の同級生だった彼とは中3のときに告白され交際して7年。今までにも別れたり付き合ったりを繰り返してきました。中3から付き合っている私たち、お互い世界が狭いんです。

外への興味もまだまだ尽きないから、お互いを縛って世界を狭めるより、一度外に出てみるのもひとつ。そして、お互いの良さを再認識できたら、またその時戻ればいいと思っています。今回の別離も、決定的な別れではなくて、「復縁」を多分に含んだ一時的な別れだと思っていますが。

もしかしたらいつか戻るかもしれないけど、一度距離を置く時間は、お互いを成長させるためにも必要な時期だと思います。

二階堂くんは、まぁくんのことを相談に乗ってくれるようになって・・・まぁありがちな展開です。

眞希子が言った通りでした。女の子は、皆同じような道をたどるのでしょうか?


上京してからというもの、地元の北海道を隠したいような、遠ざけたいような、嫌な気持ちが何度も胸の中に立ち込めました。

最初、二階堂くんから「おい、道産子」って呼ばれる度に、へらへら笑ってやり過ごしていましたが、正直言うと、いつも胸が少しだけズキっとしていたんです。

「ZARA」とか、「Forever21」とか、画一的なトレンドのファッションを着て隠しても、どこからか漏れ出す芋っぽさというか。銀メッキのようないつ剥げるんだろうかとビクビクするような感覚でしょうか。新しい世界に馴染みたい、東京と同化したいという気持ちが強くなればなるほど、自分の故郷を恥じるような、否定するような気持ちになってしまいました。

この記事へのコメント

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この連載好きだったな。今読んでも面白い
2025/03/18 07:081

東京札幌物語

歳を重ねるごとに、変わりゆく価値観、パートナー、経済感覚。刻々と変化し続ける自分の人生において、調子がよいときには煩わしくも感じる「地元」の存在は、期せずして訪れる挫折と絶望のとき、優しく手を差し伸べてくれるはず。これは、北海道大学を卒業したのち東京の会社を中心に就職活動をし、渋谷にあるとあるインターネット企業に就職した北原希(きたはらのぞみ/23歳)の「東京」と「地元」の物語。

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