表紙カレンダー Vol.6

2015年最も輝きを放った女優の素顔とは?

私は平均点の人間。だから常に努力し続けなければ

「清純派」という印象と素顔のはざまで

それにしてもだ。正統派の美人にして料理上手、しかも仕事が充実しているなんて最強ではないか。思わず「完璧ですね」と漏らすと、木村さんはしばらく沈黙し、そして「私は平均点だから」と呟いた。

「私のような仕事をしていると、周りより秀でた部分を持っていないと生きにくいことがあります。かつては平均点のままではダメなのかと葛藤したこともありますが、私はその世界で生きる道を自ら選んでいる。ならば、平均点から少しでも頭が抜けるように努力しなければいけませんし、いつしかそうしていなければ納得して次に進めなくなりました。ありがたいことに今はお仕事を途切れずに頂戴しています。だからこそ、その気持ちを絶やさないようにしなければ」

そう話す木村さんの口調は極めて淡々としたものだ。恐らく、自分という存在を客観視できているのであろう。

ところで木村さんといえばよく「清純派」というキャッチを付けて語られる。与えられる役もそのイメージに寄り添ったものが多い。これについてどう捉えているのか。

「実は、このあいだ、親しい人と笑い話にしていたところなんです。アラサーにもなってピュアというイメージでいいのか、私ったらしんどい道を選んでいるのではないかと(苦笑)。こんな言い方をするのはおかしなものですが、素顔の私は“ピュア”という言葉だけの人間ではもちろんありませんし、清純とか清楚という言葉が出てきた時点で、役者としてはどうしてもそのスイッチを入れてしまう。そう見てくださる方々のイメージを壊さないようにと変に考えてしまいます(笑)」

自分が求められていることを理解し、体現する。それはまさにプロの在り方だ。そんな女優・木村文乃は、今後、どんな顔を見せていくのか。2016年もきっと今年以上に活躍するだろう。注目だ。

■プロフィール
木村文乃 1987年生まれ、東京都出身。'06年公開の映画『アダン』にて女優デビューを果たす。'15年は『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』ほか多数のドラマや映画に出演。現在、自身が表紙を飾るムック本『女優美学Ⅳ』が発売中

© 2015 Galatée Films - Pathé Production - France 2 Cinéma - Pandora Film - Invest Image 3 - Rhône-Alpes Cinéma - Winds - Pierre et Vacances

ドキュメンタリーで声の仕事に挑戦

総製作費40億、構想4年2万年におよぶ地球の生命の歩みを『オーシャンズ』の監督がドラマティックに描いたドキュメンタリー映画『シーズンズ2万年の地球旅行』が1月15日(金)から公開される。木村文乃さんは笑福亭鶴瓶さんと日本語版でナレーションを担当。透明感あふれる声に注目したい

インタビューが行われたのは……

六本木『グランド ハイアット 東京』の最上階21階に位置するプレジデンシャル スイート。260㎡の広さを誇る客室には専用プールのほか、イサムノグチ氏の貴重なアートピースも。宿泊者だけに許された“贅沢”を堪能できる

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