2015.11.15
「女なんて、どうせ金を持っている男が好きなんだろう。そう、思っていました。」
商社に勤める拓哉(25歳)は、千葉県浦安市で生まれ育ち慶應義塾大学経済学部を卒業。現在3年目のまだまだ青い下っ端の使い走り。これからお話するのは、就職を機に千葉から出て東京でひとり暮らしを始めた拓哉の、金と仕事と女に奮闘しながら年齢を重ね上り詰めていく、人生ゲームのようなお話です。
女子大学生の栄華と、男性大学生の悲哀。
僕が、大学2年生のときの冬休み。
就職活動には少し早い、けれど、将来への漠然とした不安が蔓延して、皆、藁を掴むように何かしら始めることで心を落ち着かせようとしていた頃。TACに通う人、国家公務員試験の勉強をする人、外資系に絞って勉強会に勤しむ人など様々でした。同じ学部に入りながらも卒業時の進路はバラバラで、将来の格差を何となく皆が意識しはじめるものの、僕は、そわそわしながらも、何となく何も手を出せずにいました。
そんな、未来がまだ霧の中にあった大学2年生のとき、僕はO女子大の21歳の美香って女と付き合っていました。頭の回転は、同じ慶應の女たちと比べると物足りなかったけど、当時は可愛ければなんでもよかったんですよね(笑)白いふわふわのオフショルダーから覗く華奢な肩に、ニーハイブーツの絶対領域・・・男が萌えるポイントを押さえていた子でした。
ちなみに、「女子大の女は、早慶の男が好き」という、若干舐めた空気が僕たちの間にはありました。女子大との合コンは腐るほどあったし、正直、彼女も僕と付き合っていることが少なからずステータスだろうという自負があったんですよね。今思えば、「女子大生」のブランド力も知らずに・・・
蓋を開けてみれば、彼女は、この「女子大生ブランド」を利用し堪能しきっていたビッチでした。当時六本木ヒルズのレジデンスに、愛宕グリーンヒルズ、品川のベイエリアのタワーマンション(は、女子大生から不人気だったらしい)などで頻繁に行われていたパーティーに、入り浸っているという完全な”クロ“。
美香は、そこで見つけた金を持った社会人の男たちと、デートだ、旅行だって、贅の限りを尽くしていたらしいです。当時彼女の非公開のmixiを見つけてしまったときの衝撃はすごかったですね。美香は、齢21歳で、箱根の一人一泊5万円以上する強羅花壇に泊まっていたり、代官山の『パッション』や、リニューアル前の『ロオジエ』の料理の写真をバンバン上げてましたね。
mixiには、僕が連れて行った、新宿NSビルの夜景の見える和食とかの記載は皆無でした。「夜景すごく綺麗だね」って目をキラキラさせて喜んでたのに・・・
裏切られたというような感傷的な挫折じゃないです。「最後に愛が勝つ」といういかにも真実然とした教訓は、流行歌の戦略だったと気付いたんです。薬漬けのようにどっぶりと侵されていた自分を、「おい!死ぬぞ!」って叩き起こした感じ(笑)。女は皆、羊の皮をかぶった狼のような、純情ぶった拝金主義者なんだと妙にすとんと腑に落ちてきました。
そこから、僕は、給与ランキング上位の企業に絞り、就職活動を進めていくことに決めました。美香のような拝金主義女を屈服させてやるってね。
渋谷に抱いた"劣等感"。 ビッチな雰囲気の、イイ女と、どうやって知り合うんだ?
そんな辛酸を舐めたおかげで?30代で年収1,000万円を超える今の会社に就職しました。現在、3年目。業績が良ければ100万以上出るボーナスを含めて、現在年収は、約550万。僕は、夢の年収1,000万円の大台の階段を着実に登っているし、会社名で得をしたかと言われたら分からないけど、とりあえず、損をすることは無くなった。と思いますよ。
現在は、渋谷から恵比寿方面へ徒歩13分の明治通り沿い家賃12万円のマンションに住んでいます。 え?何で渋谷かって?
僕は、千葉の中でも再開発で1990年代から爆発的に人口が伸びたニュータウン新浦安で育ちました。東京も隣だし、お隣の舞浜駅にはディズニーランドが華々しくオープンして、マンションからは、毎晩、舞浜の花火が見えるし・・・特段、東京に憧れもなかったんです。だけど、そんな僕でも高校時代から、ちょっとドキドキした場所があって・・・それが、渋谷だったんです。
高校の時から、週末友達と行くこともありましたが、東京に対して劣等感を持っていない僕でも、渋谷にきた時だけは、「あ、俺、田舎者かも」って、"よそもの”感を感じちゃってたんですよね。
ぶっちゃけ、木更津とか、松戸にいるにいちゃん達と正直変わらないんですよ?毎日、日サロ行ってます!みたいな日焼けした銀髪のにいちゃんや、派手なメイクの経験値ハンパなさそうなねえちゃん達が千葉にもうじゃうじゃいます。なんなら、眼力でいったら、こっちの方が、筋金入りな感じがして、正直怖いんですが・・・(笑)
けど、渋谷にいる人たちは決定的にどこか違う。いや、違うように見えてしまうんですよね。分かりますよ?実はみんな色々な地方から集まっているだけなんだろうけど、渋谷で集団で合体すると、やたらレベル感の違う大人びた感じがしてしまうんですよね。「どうして本気でイカレタようなああいう態度や雰囲気が出せるんだ?」とか、「なんであんなナチュラルに変な喋り方を身に付けてんだ?」とか、「あんなビッチな雰囲気の、いい女と、どうやって知り合うんだ!?」とか・・・(笑)
ひょっとすると全員がそういう事を思っているから、どんどんエスカレーションして、もはや誰の価値観でもない、焦燥感の裏返しなだけのよくわからない極端な文化が形成されるのが渋谷なのかもしれないですけど。
渋谷に対してだけは、高校時代から、圧倒的な劣等感っていうか、男として渋谷にいる男には負けた気になるんですよね。
社会人になって選んだ街は、大学時代の遊びのホームタウン「渋谷」。
それから、大学に入って、サークルの飲み会は渋谷が多かったから、しょっちゅう渋谷には来るようになるにつれて、純粋に、大学でコンプレックスは卒業しましたけどね(笑)大学時代、遊びのホームタウンは、渋谷でしたね。
社会人になって、晴れて一人暮らし!この選択肢ほどワクワクするものはなく、さっそく渋谷に居を構えました(笑)
マルイはさすがに大学時代で卒業したけど、裏原宿のセレクトショップとか、「tomorrow land」とか、服を買うにも便利だし、徒歩圏内には、東急、ヒカリエ、Bunkamuraもあるから、親の誕生日とか、ちょっとイイもの買うのにも困らない。
カラオケにビリヤード、極めつけに『シブヤボウリング』もあるから、合コン二次会、三次会のネタにも尽きないし、『VISION』や、『asia』、『Club Camelot』とか人気のクラブも多いから、同期と金曜日夜とか憂さ晴らしに行けますしね。僕らの会社、合コンのオファーがめちゃくちゃ多いんですよ(笑)据え膳食わぬは男の恥って言いますし、今は、目の前にベルトコンベアーのようにきっちり運ばれてくる、木曜日金曜日夜の合コンを、楽しんでますよ。
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