焼き肉界のレジェンド『炭火焼肉 ゆうじ』を徹底解剖

ご存知、渋谷の『炭火焼肉 ゆうじ』は、やはり半端なく面白い。 焼肉屋で肉が美味しいのは当たり前。
では、その肉をどう美味しく食べさせようかと、頭を捻るのが「いい焼肉屋」。さらにもう一歩、焼肉の迷宮へ踏み込んでしまったのが、『炭火焼肉ゆうじ』の店主、樋口裕師(ゆうじ)さんだ。 そのこだわりとは?

部位ごとに変えるタレなど、素材の味を最大限に引き出す『炭火焼肉 ゆうじ』

「焼肉が好きで好きで、食べ続けて、そろそろ飽きてきた人たちに、それでも焼肉を食べ続けてもらうために仕事する。これが焼肉屋です」と裕師さん。

その突き抜け方はただ者ではない。牛には様々な部位があるが、裕師さんは「この部位は、どうすればもっと美味しくなるか」という命題を常に抱えている。

左.上質な肉や新鮮な内臓であることはもちろん、料理屋のように下処理に時間をかけ、丁寧に美味しさを引き出している。写真はすい臓

右.カルビなど、脂がのった肉には、醤油ダレのベースを多くして食べやすくする

そのための第一歩は下ごしらえ。非常に繊細に手を入れるので、カルビをはじめとする正肉やホルモンは、とても美しい。

「料理はシンプルなほど素材の美味しさを引き出します。でもそのための下処理は手間も時間もかかります。つまり、シンプルに味わってもらうには、とことん手を掛けているともいえるんです」という。

手間と愛情をそれだけ注ぐ肉には、素材の味を殺さないタレとのバランスも大切だ。『ゆうじ』では、つけダレはやや甘め。だがべったりした甘さではなく、醤油の香ばしさや甘さに透明感がある。

左.内臓系は反対に味噌ダレを強めに配合。脂が濃いギアラには辛みの少ない唐辛子を効かせてアクセントに

右.手前から、塩味のホルモン、醤油ダレの上カルビ、味噌ダレのギアラ

揉みダレは基本の醤油ダレと味噌ダレの2種類を用意し、部位によってふたつの割合を変えながら、それぞれに違う味付けを施している。

カルビやロースといった花形部位ではなく、ロスになってしまう日陰の部位にも、美味しさを発見したいというのも研究テーマだ。

たとえば、前バラ(肩バラ)の一部である「コウネ」。煮込みに使われる固い部位だが、ゆうじでは、ごく薄くスライスして供している。さらにコラーゲンたっぷりの脂に、少量の肉がついたコウネは、さっぱりした赤身肉と組み合わせて提供するという流れもよく考えられている。

「扱い方ひとつで美味しさを感じさせるコウネのように、部位の特性をつかんでやれば、焼肉の可能性はもっともっと広げられるんです」と裕師さんは情熱を燃やし続ける。

左.【醤油】脂の旨みが強い正肉を引き立たせる

脂がのった正肉は、醤油ベースの揉みダレを使う。脂は甘みとコクがあり、その分こってりとしているので食べ飽きやすい。醤油を効かせたつけダレを使うことで、あっさりと食べやすくなる

右.揉みダレとつけダレふたつのタレで完成

醤油ベースのやや甘めの揉みダレで味付けされた正肉。仕上げにねぎやごまの入ったさっぱり味のつけダレにくぐらせる。余分な脂が落ち、酒もごはんも進むあっさりとした味に

左.【味噌】クセのある内臓系を食べやすくする

味噌ダレは、主に内臓系に使われ、内臓の持つ臭みや独特の香りを消して、食べやすくする。にんにくやしょうがを加えるほか、脂の多い部位は、辛みの少ない唐辛子を入れて味を引き締める

右.【塩】脂ののりで配合を調整する

塩ダレはもっともその分量が難しい。その日によって脂の付き方などが違う、肉や内臓のコンディションを見極めて、微妙な塩加減を調節。脂と塩をなじませるように揉むのもポイント

いかがだったであろうか?
予約のみの「おまかせ」ともなれば、こうしたゆうじの世界観はさらにズンと深くなる。まだ体験していないなら、めくるめく口福の世界を一度は味わってほしいものだ。


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