鮨の激戦区・西麻布でおさえておきたい珠玉の名店4選

左から時計回りに、ヤリイカ、赤貝、エビ。立派な車エビは茹でてネタに。「いつもこのサイズを握っています」と轡田氏。食べ応えも十分で、常連が必ず頼む人気の握り

西麻布の進化を見守ってきたザ・江戸前鮨屋
『笄鮨』

店名の〝笄(コウガイ)〞とは60年代まで実在した町名から。現在の西麻布はエリアの多くが麻布笄町だった。

「笄って女性が髪を結う道具なんだけど、甲賀と伊賀両家の武家屋敷がこの辺りにあったから笄って説も」。店主・轡田一男氏は言う。

この場所に店を開いたのは80年代。元々は奥さまが生まれ育った場所で当時、鮨屋は1、2軒しかなかった。

「いつだったか、モンスーンカフェができて。それから賑やかになっていった」。街の進化を見守ってきた氏だが仕事ぶりは不変。

颯爽と握る姿からも気っ風の良さを感じる。カウンターのみの1階に対し、2階は座敷を用意。寒い時季はアンコウ鍋や白身のしゃぶしゃぶも提供。締めに巻物をオーダーする人も

たとえばヤリイカは、細く切ってから握る江戸前伝統の手法で。ねっとりとした食感も好もしく、刻みショウガが心地良い清涼感を口中にもたらす。

手をかけるものは手をかけ、握っている。10年がひと区切りなら、もうすぐ3周の計算だ。「そうは言うけど、普通にやっているだけなんですよ」

常連で賑わうカウンターの光景は江戸の頃から連綿と受け継がれてきた〝ザ・江戸前鮨屋〞の風格。心和む。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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