庶民の味こそシェフの力作!ビストロで出会った本物の田舎料理6選

修業時代の思い出の味や、老舗のシェフの忠実な技術が詰まった田舎料理こそ、ビストロで味わうべき一皿と言っても過言ではない。

これを食せば、本物が何たるかがわかるはずだ。

トゥールーズソーセージのアリゴ添え。オーベルニュ地方の名物料理で、別名は「ルバン・ドゥ・ラミティエ(友情のリボン)」。ソーセージは1人前150g

『ル コントワール オクシタン』の
トゥールーズソーセージのアリゴ添え

日本におけるフレンチの草分け的存在、アンドレ・パッション氏が幼い頃から家庭で親しんだのが、このアリゴ。『レストラン・パッション』の味を継承した、ビストロ『ル コントワール オクシタン』で味わうことができる。

「フランス人が毎日食べるものを」を掲げる同店らしく、ソーセージはあくまでも添え物で、主役はオーベルニュ地方で超定番の芋料理。

裏ごししたジャガイモにバターと牛乳を加え、さらにチーズを混ぜるため熱々のうちは糸を引くようにビヨ~ンと伸びる。トム・フレーシを使用するのが通常だが、こちらでは24カ月熟成のコンテチーズを使った、強いコクと風味が自慢。

シンプルゆえに奥が深い、そんな料理の真骨頂だ。

ハラミのステーキ 。レアに焼き上げたハラミ肉に、フォン・ド・ボーを使ったソース。定番ソースはバターで仕上げるところ、モアル(牛の骨髄)でさっぱりと。通常のつけ合わせはポテトフライだが、常連が好むのはドフィノワ。ソースと混ざりクリーミーで濃厚な味になる。価格は応相談

『イブローニュ』の
バベットステーキ

初めてパリに着いたその日、空腹で食べた肉のパワーとソースの味は鮮烈だった。ふと立ち寄ったビストロで出合い、有馬シェフの原点となったバベットステーキ。空腹を満たすボリュームと手頃な価格に、肉のパワーを感じさせるしっかりしたハラミの食感とソース。ビストロ料理の醍醐味がつまった定番メニューだ。

長旅に疲れ、言葉も分からずに注文して食べた時の感動を日本へ持ち帰りたい……それがビストロを始めた理由でもある。以来、2005年にイブローニュを開店してから「食べて元気になってほしい」とこの一皿を作り続けている。

氏は修業時代に屠殺を経験。命の重みを知り、肉を余すところなく使う。ステーキのソースに使うフォン・ド・ボーには、8割牛を守りつつ鶏ガラや羊、鴨など余った骨も加え、結果ここだけの味が生まれた。

フランス料理の伝統を守りつつ、氏の愛情による丁寧な仕込みが加わったそれが癖になり、週に一度食べにくる客もいる。是非、一度味わってほしい。

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