2015.08.01
旨い、そして美しい、職人が生み出す一杯の芸術。 食べるだけで笑顔になる丼とは、パワフルランチの救世主! それが財布にやさしいならば、なおさら嬉しいではないか。
『鮨 からく』
江戸前丼 1500円
「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉があるが、ネタそれぞれにきっちりと仕込みを凝らした鮨も忘れちゃならぬ。江戸時代から脈々と伝えられてきた文化のひとつだ。
酢で〆る、漬け込むetc.といった技法は、保存性を高めると同時に、旨味を熟成させ味をよりよくしてくれる、実に理に適った仕事なのだ。
そんな江戸前鮨の伝承に心を砕いているのが、銀座『鮨 からく』。「平成元年の開店当初は、“江戸前”を名乗りつつも、まずネタの鮮度や珍しさを競う店も多かった」と語る店主の戸川基成さんは、その頃から江戸前の仕事を重んじてきた。
もちろん、ランチタイム限定の丼にも、そんな職人の矜持は貫かれている。
3種類のネタがのる「江戸前丼」には、醤油に漬け込み旨味を凝縮させた艶やかなマグロのづけ、それと対を成すようにほんのり甘めに味を調えた鯛の胡麻和え。
そして、ふんわりととろけるような食感が身上の穴子が乗る。特に穴子は、毎朝活きた状態から店で割く「煮上がり」ならではの贅沢なネタだ。
またランチタイムには、鯛のアラから取った出汁にクコの実などの漢方素材を入れた、特製の薬膳スープが添えられる。これは、お客様の健康や美容への思いやりを感じる一杯。
伝統への敬意を払いつつ、現代人への配慮も込める姿勢が嬉しい。
『天茂』
かき揚げ丼 1300円
お昼ごはん時にできますものは、天丼とかき揚げ丼の2つのみ。大半の客が注文するというかき揚げ丼は、海老と小柱のみが入る、極めてシンプルなものだ。
注文ごとに衣と具材をさっくりと合わせたら、揚げ鍋へ。菜箸でタネを中央に寄せるようにして、丼にのせるのにちょうどよい、まあるい形に手早く整えていく。
かき揚げが揚がったら、間髪入れずに丼つゆを温めている小鍋へ投入。すると、かき揚げに含まれた熱々の油とつゆとが融合し“ジュワッ”と音を立てる。
かき揚げがコクのあるつゆをたっぷり吸い込み、一方のつゆにはかき揚げの油が溶け込み、コクが増す。これが次のかき揚げにまた吸い込まれ……と混雑するランチタイムは、ひたすらこの手順が続く。
つゆが染みても衣がべったりと重くなっていないのは、軽やかに揚がっているからこそ。
「かき揚げは、具材が衣をしっかりと纏っていながらも口の中に入れるとハラリと離れる、そんな食感をイメージしてひとつ一つ揚げています」という、店主の高畑粧由里さん。昭和39年にこの店を開いた父・富夫さんから教え込まれた技術を携えて、日々2つの鍋を操る。
ランチ激戦区・赤坂にしっかと根を張り愛され続ける丼だ。
この記事で紹介したお店
天茂
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