2015.07.28
華美でなく、削ぎ落とすことで、際立たせる。そんな、足し算でなく、引き算の美学を感じるお店が増えている。その象徴たるお店に訪れた。
ここは鮨屋か、アートギャラリーか『鮨よしい』
鮨屋といえば白木のカウンター、である。高級な店であればあるほど、そのカウンターの木は継ぎ目がなく、美しく磨き抜かれているものだ。が、その概念を鮮やかに覆す一軒が、東麻布の片隅に生まれた。店の名は『鮨よしい』。
看板はない。人が一人通れるぐらいの階段を上り、暖簾をくぐると、鮨屋とは思えぬほどの薄暗い店内に8mほどのカウンターが鎮座している。鈍い光を湛えるそれは、廃材でできているという。
よく見ると、ところどころにペンキの染みのようなものも確認できる。そして、それとは対照的に、まな板は最高級のヒノキの柾目で目を見張るほどの厚さ。なんとも言えぬ風格を湛えている。空間のコンセプトは“わび・さび”だ。
わび・さびの精神然り、日本料理はフレンチやイタリアンなどと真逆で、引き算の発想に基づいたもの。シンプルの極みである鮨を味わうには、極限まで装飾を削ぎ落とした空間が有効なのだという。
さらには、店内にディスプレイされたアートピースの数々がここを唯一無二の鮨店だと感じさせる。同店のオーナーである吉井仁実氏が現代アートのギャラリストであることから、杉本博司、草間彌生、フランツ・ヴェストなどの作品を、鮨を食べながら鑑賞できるのだ。
美味しいだけの鮨店はごまんとある。その中で、大切なのは、いかにお客様の記憶に残るのか、ということ。『鮨よしい』のスタイルは、鮨を食べるという時間の概念を変えてくれる、まさに現代を象徴する存在だ。
鮨との向き合い方に一石を投じる同店。型破りのスタイルを体感されたし。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事で紹介したお店
鮨よしい
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